花巻

空港 非日常の光景 コロナ禍 全便運休で閑散【花巻】

全便運休で人がほとんどいない花巻空港ターミナルビル内

 花巻市のいわて花巻空港は18日から全ての発着便が運休となった。新型コロナウイルスの影響で同日から31日まで札幌、名古屋、大阪、福岡の国内4路線全便が一時運航を取りやめ。台北、上海の国際定期便も今冬から運休しており、定期便の到着、出発が一便もない。「コロナ禍全便運休」初日となった18日は、空港ターミナルビルや駐車場、周辺道路も閑散とした。

 同空港では2011年の東日本大震災発生直後に4日間全便運休しているが、1964年の開港以来、異例の事態となっている。航空各社へ問い合わせる利用者や出入り業者らのためビル正面玄関は開けられたものの、訪れる人はごくわずかでビル内は静まり返り、駐車場も初夏の行楽シーズンとは思えないほど空きスペースが目立っている。

 この運休に伴い、ビル内レストラン、土産物店などは全店で営業休止。通常は地場産品を買い求める観光客や喫茶コーナーで一休みするビジネスマンらでにぎわう1階売店「hana」では、スタッフが日ごろなかなか取り組めない大掃除や配置見直し、機器メンテナンスなどに取り組み、再開に備えている。

 県空港ターミナルビルの高橋宏弥代表取締役社長は同日、全スタッフに向け徹底した感染予防、一層の経費削減などを訓示。「これを機に店舗のレイアウト変更や陳列方法改善など見直しできることがないか皆で考えていかねばならない。人が動き始めれば業務も動きだす。一日も早い運航再開を願う」と語った。

 同空港では新型コロナの感染拡大に伴い利用者が減少し、運航便数も徐々に少なくなった。4月29日から5月6日までの大型連休期間中の利用者は19年より約1万3500人少ない439人にとどまり、前年同期比96・9%の大幅減。6月1日以降の運航は未定となっている。

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