北上・西和賀

最先端田植え機に理解 スマート農業実演会・北上 運転、施肥も自動

可変施肥ロボット田植え機の実演を見学する農業関係者。直進と旋回も自動で行うことができる

 スマート農業の普及を目的とした県南広域振興局花巻農林振興センターが主催する2020年度の技術実演会が21日、北上市和賀町の水田でスタートした。初回は19年度の収量データを踏まえ、施肥量を自動調節しながら苗の移植を行う可変施肥ロボット田植え機を紹介。直進と旋回の自動操舵(そうだ)機能も備えており、参加した農業関係者は最先端の農業機械に理解を深めた。

 最新の農業技術を紹介し導入に向けた検討材料を提供しようと、9月まで3回の予定で開催するスマート農業シリーズ。

 ロボットは、前年の収量・食味データを基に作成された施肥マップに沿って、施肥量を自動的に調節しながら苗の移植を行うことが可能。全地球測位システム(GPS)を利用し直進と旋回の自動操舵の機能も併せ持っている。

 初回は、オペレーターがハンドルから手を放しても直進や株間などを自動調整しながら「どんぴしゃり」の苗を植え付ける様子をデモンストレーション。県や市、JA、農機具メーカーなどから参加した約90人の農業関係者が熱心に田植え機の機能をチェックした。

 直進や旋回を機械に任せることができれば、オペレーターの疲労が軽減され作業効率がアップするほか、施肥量の自動調整によって収量アップにもつながる。参加した市農業支援センターコーディネーターの髙橋豊孝さん(62)は「これからの時代は大規模農家を中心に労力軽減のため直進キープは必要になる機能だろう。収量データを収集できるコンバインの導入や機械の価格との絡みもあるが、施肥量の自動調節は収量差の大きい水田で反収を上げたい場合には必要になるのかもしれない」と期待を寄せた。

 同センターの工藤恵農業振興課長は「省力化できる一連の体系をつくり、高いコストに見合った農業経営規模との関係性についても示せるよう取り組み、スマート農業を普及させたい」と話している。

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