花巻

市民サービス向上へ 花巻市 今年度 RPA業務を拡大

 花巻市は2020年度、業務効率化を目的に19年度導入したRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)による業務を拡大する方針だ。19年度の本格導入前の実証実験で、サンプル業務全てで作業時間の削減が確認された結果を受け、今年度は昨年度分を含む22業務の実施を目指し、生産性と市民サービスの向上に努める。

 RPAは、人が手作業で行ってきたデータ入力などの定型作業を、ソフトウエア上のロボットが事前に設定したルールに基づいて自動で処理する。同市では行政改革の一環でRPAを導入し、作業時間の削減により職員を別の業務に振り分けるなど、市職員でなければできないコア業務に注力することを目指す。

 昨年度は本導入前の6月から9月にかけて実証実験を実施。▽パソコン異動情報の登録▽空間放射線量測定結果のホームページ更新▽住民情報システムへの償却資産申告書の登録▽給与控除に係る伝票作成▽公共無線LAN(構内情報通信網)の利用実績集計―など9業務を対象に行った結果、全てで作業時間の削減を確認。住民情報システムへの償却資産申告書の登録では、人による作業は処理時間を58時間と想定していたものがRPAでは12時間で処理できるなど、削減率は79%との結果が得られている。

 本導入した10月から年度末にかけて▽補助金等交付実績の各課照会結果集計▽軽自動車税申告書の抹消▽事業評価シートの特定項目抽出・集計―の3業務を追加して12業務を実施。市総務課情報政策推進室によると、軽自動車税申告書の抹消業務は、10月から今年2月までの処理数は2051件で、RPA導入前の51時間に対し、導入後は15時間に減少。約71%の削減効果が得られた。

 同業務は今年度、7500件の処理を見込み、想定では従来処理時間の218時間からRPAで52時間に削減する。

 今年度は10業務を追加して22業務をRPAで処理する方針。同課によると、4月以降は新型コロナウイルス感染症を受け、国が打ち出した各種給付金に職員が対応しているため一時休止している状況という。同課は「業務の機械化で人為的なミスを防げるなど効果が挙げられる。RPAでの業務を増やして効率化を図りたい」としている。

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