一関・平泉

地域の宝いつまでも 舞川・金山棚田 親子連れら苗手植え【一関】

参加者により作付けされた金山棚田

 一関市内の有志で組織する「いちのせきシェア農園」(櫻井陽代表)は24日、江戸時代後期に開墾されたといわれる同市舞川の金山棚田で田植えを行った。棚田を所有者する金山孝喜さん(82)が高齢を理由に2019年で耕作を断念したことを受け、景観保全などのために耕作作業を引き継いだもので、参加者は貴重な棚田の風景を後世につなぐ思いを新たにした。

 一般参加者も募って行った田植えには市内を中心に親子連れら45人が集まり、ひとめぼれとスペイン料理のパエリアなどに使われるボンバ米の苗をあらかじめ引かれた線に沿い、50枚(延べ面積25アール)に手植えした。

 母親と姉と参加した一関小学校3年の遠藤遙さん(8)は「植えるのが面白くてたくさん植えた。稲刈りにも参加したい」と笑顔を見せ、作付け作業や初心者への植え方の指導を手伝った千田賢一さん(79)=同市舞川字小塚=は「金山棚田は地域の宝のような存在。若い人たちがこの資源を残そうと活動しているのはうれしく思う」と話した。

 金山さんは「たくさんの若者が参加してくれたので仕事がはかどった。長く棚田が残っていくことを願っている」と語った。

 同棚田は大小約100枚(延べ面積約42アール)の水田があり、全て金山さんが管理。機械を入れての作業ができず、後継者が決まらない中で近年は地元有志による「金山棚田を守る会」のサポートを受けて維持してきた。

 同農園は引き続き金山さんの協力を得ながら棚田を管理し、6月の草刈り、10月の稲刈りの時も参加者を募る考え。櫻井代表(27)は農村地域づくり活動支援員として活動していた際に舞川地区と関わりがあったといい「誰も受け継ぐ人がいなかったので、まず1年やってみようと取り組み始めた」と思いを語った上で、今後については「楽しんで棚田に関われる状況をつくっていきたい」と話している。

 同農園では棚田での活動の参加者を募集している。問い合わせは櫻井代表=090(3123)0841=へ。

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