【新型コロナ】軽症者向け宿泊療養施設 岩手県、きょうから運用
新型コロナウイルスに感染した無症状者と軽症者向けの宿泊療養施設として、県は5日、県内1カ所目となる宿泊施設(全100室)を借り上げ、6日に運用を開始すると発表した。宿泊施設の地域と名称はプライバシー保護の観点や管理運営上の問題から非公表。県内では感染者が確認されていないが、今後感染が拡大し病院で受け入れられない場合に利用していく。
使用する部屋は個室85室で、入所者は各室に備えた体温計、心拍数や酸素飽和度などが測定できるパルスオキシメータで1日3回健康状態をチェックする。
残りの15室は事務・医療スタッフが利用。日中は看護師、県職員各2人、夜間は各1人が常駐する。看護師は当面の間、県看護協会から派遣を受ける。
無症状者・軽症者向けの宿泊療養施設は、感染が拡大し、患者で病院の感染症病床が満床になりつつある時に機能する。患者の発生が少なければ軽症でも基本的に病院で療養し、重症者のために感染症病床を空ける必要がある場合には、医師の判断で軽症者らに宿泊療養施設に移動してもらう。ただし重症化の可能性がある高齢者や妊婦の場合は除外する。
入所者は14日間経過し直近72時間に症状がない場合、または2回のPCR検査で陰性が確認された場合に退所できる。
宿泊療養施設について県は、県内で計300室の確保を目指しており、残る215室についても地域性を考慮して確保を進める。215室については患者が発生した場合にすぐに稼働できるよう、宿泊施設との間であらかじめ協定を結び、速やかに体制を整えていく方針。
県保健福祉部の吉田陽悦新型コロナウイルス感染症対策監は「岩手県は医療体制が厳しい地域であり、医療崩壊ということにならないために、最悪のケースを想定し整えられる準備についてはしっかり取り組んでいきたい」と話している。