涼やかな音色響く 南部風鈴お目見え 水沢など2駅【奥州】
奥州市水沢のJR水沢駅、水沢江刺駅の構内に11日、伝統の南部風鈴がお目見えし、涼しげな音色が利用客を癒やしている。
伝統的な南部風鈴の音色の涼やかさを利用客に味わってもらおうと、水沢駅で1962年に飾られ、以来毎年続けられている。水沢鋳物工業協同組合や市、観光物産協会、奥州署、市社会福祉協議会などが作業に当たっているが、2020年は新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から作業人員を減らし、取り付ける風鈴も例年の3分の2ほどの合計約1000個とした。
水沢駅での作業では、大小の井桁に約700個の風鈴を取り付け、ホーム屋根の梁(はり)からつり下げた。
防犯標語や「ふくし川柳」などの短冊を付けた伝統的な釣り鐘、動植物をモチーフにした物、黄色や青、緑などのカラフルな物、青海波(せいがいは)文様をあしらった物などが、電車が行き来するたびに爽やかな音色を響かせた。利用客は「涼しげで良いね」などと話しながら風鈴の音色を楽しんでいた。
同組合販売課の戸田努課長は「飾り付けをすると夏が始まったな、という気持ちになる。駅利用者に音色で涼しさを感じてもらうとともに、気持ちを落ち着かせるのに役立てば」と話していた。