一関・平泉

地元名峰 魅力再発見 大東・興田地区振興会 移動研修で蓬莱山登山【一関】

蓬莱山山頂からの眺望を楽しむ参加者ら

 一関市大東町の興田地区振興会(佐藤幸平会長)の興田再発見移動研修「蓬莱(ほうらい)山登山」は14日、同町と奥州市江刺にまたがる蓬莱山(787・8メートル)で行われた。天気にも恵まれた興田の名峰を歩くトレッキングに、市内外から11人が参加。同行してその魅力に触れた。

 かつては地元の丑石小学校の児童が遠足や飯ごう炊飯に訪れたという蓬莱山だが、近年は登山客も減少し、登山道も埋もれつつあることから、同振興会で地元の魅力再発見事業として登山を企画した。

 登山道の入り口までは、興田市民センターから車で約30分。登山口の旭巌神社に参詣してから、新緑の登山道に足を踏み入れた。この日は真夏を思わせる日差しだったが、木々がうっそうと生い茂った登山道は思いの外涼しく、クマザサをかき分けながらとはいえ、過ごしやすい道行きとなった。

 木々にしがみつくようにして急勾配を登り切ると、稜線沿いに上り下りが続く。群生しているツツジは見頃を過ぎていたが、早池峰山を拝する神社や首欠地蔵菩薩(ぼさつ)などの史跡も点在し、かつては人々の信仰を集めていたことがうかがえる。

 約40分かけて山頂に到達。北上山系、奥羽山系を見渡す大パノラマに、参加者から歓声が上がった。同市大東町曽慶の足利義信さん(63)は「丑石で生まれたので、子供の頃は飯ごう炊飯で訪れた気がする。初めての登山だが思ったより楽しかった。初めて会う人と話しながら上れたのも良かった」と達成感を味わっていた。

 目印となる赤いテープを木々に巻きながら先頭を歩いた同振興会の佐藤会長は「地元の山ではあるが、登る機会は少ない。今回参加者で歩いたので、登山道も少しは形になったと思う。興田地区の魅力を改めて知ってほしい」と願いを語っていた。

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