北上・西和賀

高校の授業速度体感 市教委 南中で連携研究事業【北上】

高校の数学授業を体験した南中の3年生

 北上市教委は2020年度、人材育成を目的に中学校と高校とが連携する研究事業に新たに乗り出した。この一環として10日は同市の南中学校(盛島徹校長、生徒421人)の3年生を対象に市内高校4校の教諭が数学の出前授業を行い、生徒たちは高校の授業のスピード感をつかんだ。

 中高連携の研究を通じて地域を担う人材の育成を目指そうと企画。この一環として中学生に進路選択の参考にしてもらおうと、出前授業を実施した。

 同日は、黒沢尻北、黒沢尻工業、北上翔南、専大北上の市内4高校の教諭が同中学校を訪れ、3年生約140人が志望校別に分かれて数学の授業を受けた。

 黒沢尻北の菊池洋右教諭は高校2年生で学習する数列の導入に関わる授業を行った。「実験をし、規則性を推測して考えることは数学的に物事を考える時に大切になる。数学が難しいと思っている人も諦めずに勉強してほしい」とアドバイス。授業を受けた眞山理奈さんは「高校の内容は少し難しかったが、規則性を見つけてそれに数字を当てはめるのが楽しかった。高校の授業の速度や先生の説明を直接聞くことができたので進路の参考になった」と話した。

 盛島校長は「進路選択の重要な時期に志望校の授業が受けられることは生徒にとって得難い経験。夏休み中に進路を決める予定で、今回の授業が高校への意識を高めることにもつながるだろう」、平野憲市教育長は「中学生が高校の授業をじっくり受ける機会はまずないので、スピード感などを体験できたと思う」と意識高揚に期待した。

 事業では、高校生による出身中学での高校紹介や市内中高の校長を集めた意見交換会などに取り組む予定で、高校進学のニーズや連携の在り方について研究する方針。出前授業については希望があれば市内の他中学校でも行う。

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