一関・平泉

観光回復策考えよう 東山小5年生 現状学び提案へ 一関・猊鼻渓

舟下りを体験し、猊鼻渓について学ぶ東山小の5年生

 一関市立東山小学校(佐藤謙司校長、児童252人)の5年生46人は、2020年度の総合的な学習の時間で、同市東山町の猊鼻(げいび)渓ににぎわいを取り戻す方法を考える課題に取り組んでいる。10日はげいび観光センターが運航する舟下りを体験し、渓谷の魅力を探った。

 今年度のテーマは「今こそわれわれの力!とりもどそう 観光の町 東山」。日本百景に数えられる名勝・猊鼻渓にはこれまで国内外から多くの観光客が訪れていたが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、同センターでは舟下りの運航を一時休止。再開後は感染防止策を講じながら運航しているものの、以前のようなにぎわいは戻っていない。

 この状況を受け、児童は観光客を呼び戻すための方法を考える学習を進めている。6月には同センターの船頭による講話を通じ、台湾からの団体や修学旅行のキャンセルなどで観光客数が落ち込んでいること、手指消毒、マスク着用での乗船を求めるなど感染防止に努めていることなど現状に理解を深めた。

 同日は「コロナ禍団体客第1号になろう」を合言葉に、児童が23人ずつ2艘(そう)の舟に分乗。船頭から渓谷内にある鏡明岩、藤岩、凌雲岩、壮夫岩、少婦岩などの名前や由来、特徴のほか、舟下りは北上川へ注ぐ砂鉄川で運航され、さお1本のみによる舟下りは全国でも猊鼻渓でしか行われていないことなどの説明を受けた。

 児童は、舟上や折り返し地点の三好ケ丘周辺の散策中に「川の深さは」「行きと帰りではスピードは違うか」「(船頭が歌う)げいび追分の歌詞の意味は」「(運気を上げるために岩の穴に目掛ける)運玉投げはどのように始まったのか」などと船頭に質問していた。

 佐藤樹君は「船頭さんの仕事や岩の由来などいろいろ勉強になった」、菅原悠華さんは「船頭さんの説明はユーモアもあって楽しかった。お客さんへの気遣いがすごいと思った」と話し、それぞれに観光客回復に向けてアイデアを練る意欲を見せていた。

 児童は今後さらに学びを深め、2学期以降にまとめを行う。

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