奥州・金ケ崎

激流 みなぎる闘志 カヌースラローム 五輪日本代表が合宿【奥州】

巧みなパドルさばきを見せる矢澤選手
急流で練習を重ねる足立選手

 2021年に1年延期された東京五輪カヌースラローム競技に出場する日本代表選手が奥州市胆沢若柳の奥州いさわカヌー競技場で強化合宿を行っている。日本の五輪代表チームが合宿で同競技場を活用するのは初めて。五輪延期に新型コロナウイルスの感染拡大で練習機会が減る中、国内有数の競技環境を生かして力を蓄えている。23日まで。

 合宿に訪れているのは、ともにカヤックシングル日本代表の矢澤亜季選手(28)=昭和飛行機工業=、足立和也選手(29)=山口県体育協会=をはじめとする選手4人、コーチ2人ら。コロナ禍で五輪本番の会場となるカヌー・スラロームセンター(東京都)での練習や海外遠征などができなくなり、同市を合宿先に選んだ。13日からの日程で、選手は各自の課題解決に取り組んでいる。

 16年のリオデジャネイロ五輪に出場し、2回目の五輪切符をつかんだ矢澤選手は「1年後に戦う準備をする。もし五輪が中止になっても、世界大会で成績を出すなど前向きに捉えればいい」と気持ちを切り替えている様子。胆沢は3回目で、「以前と変わって難しい箇所もあり、良い練習ができている。五輪では順位より自分のパフォーマンスを発揮することにこだわりたい」と闘志を燃やす。

 足立選手は14年のアジア大会優勝などの成績を挙げ、初めて五輪に臨む。胆沢は2回目で「激流があり落差も大きく、日本では貴重なコース。できることを一つ一つやるしかない中で良いトレーニングができる。長い期間、流水でのトレーニングができていなかったので水の感覚を少しでも取り戻したい」と集中力を高めていた。

 同競技場は16年の本県での国民体育大会に合わせて整備された。上級者向けの急流と安定した流量を売りに、市や地元の愛好団体などがまちづくりと競技振興に生かしている。東京五輪ではスラロームの事前合宿地となっており、19年には強豪のスペインチームが合宿に訪れた。

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