北上・西和賀

進化続ける“理想郷” 移住10年こつこつ手作り キャンプ場経営 日角孝治さん【北上】

北上市和賀町岩崎新田でキャンプ場を経営する日角さん。理想の場所でさらなる夢を膨らませる

 北上市和賀町岩崎新田の大自然の中に、キャンプグランド・ベアーベルを構えて今年で10年目を迎えた日角孝治さん(50)。北関東から一家で移住し、こつこつと手作りしてきた“理想郷”は進化を続ける。キャンプサイトを広げたい、カフェやペンション、アトリエも建てたい…。夢は膨らむ一方で「アウトドアを通じ、愛する北上の地をより多くの人たちに知ってもらいたい」と思いを広げる。

 茨城県取手市出身。幼くして出合った「トム・ソーヤーの冒険」などサバイバルな物語に感化され、小学生の頃にはツリーハウスを作ったり、野外で料理をしたりしていた。高校時代のすし店のアルバイトでは、包丁使いや料理の腕を磨き、「店舗を任されそうになったほどだよ」と苦笑い。卒業後にはリフォーム会社に就職、23歳で独立を果たし、建築などものづくりのノウハウも身に付けた。

 キャンプは自然好きの日角家にとって恒例行事。茨城に住んでいる時にも毎週のように各地のキャンプ場を巡った。10年単位で目標を立てる日角さんが30代で展望したのは「40歳には自分がキャンプ場のオーナーになる」だった。

 条件は四季が感じられ、温泉があり、そばに滝、川が流れ、ホタルが見られること。家族で訪れた夏油高原でこれらを満たす理想の場所、現在の土地に巡り合った。タイミングもあり、2010年に妻美智子さん(47)の古里である北上市に移住。これまでに培った経験を生かしながら一からキャンプ場造りを始めた。

 山を切り開き、家族の手も借りながら少しずつ作業を進めた。サイトを何区画か設け、11年には念願のオープン。水回りは温泉水を使用していることもあり、18年からは冬季も利用可能な通年営業を開始した。現在は個別・フリー合わせて20サイトほどがあり、全国各地からのキャンパーが、夏油の四季折々の表情を満喫しているという。

 19年にはテレビ番組の企画で「キャンプ王」に選ばれたほか、多くの仲間に恵まれ、キャンプ用具のプロデュースにも携わる。年内にはサイト数を30~35区画ほどに広げる予定で、今後は家族と住むログハウス、カフェやペンションの建設も構想する。陶芸や木工、糸を作るところから手芸にも挑戦し、アトリエも造りたいという。

 人混みが避けられることから、コロナ禍でアウトドアには一定の需要が期待される。「もちろん手洗いや消毒などをきっちりすることは必要だが、キャンプは屋外。注意を怠らなければ楽しめる」と日角さん。本格的な夏季シーズンに向けて「昆虫や星が見られるし、ヒグラシの鳴き声も聞くことができる。外に出て自然を感じてほしい」とその魅力を語る。

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