一関・平泉

夏色鮮やか リンドウ出荷最盛期 一関・弥栄

いやさか農園によるオリジナル品種のリンドウ「ロマンブルー」。深い藍色が夏空に映える=一関市弥栄地内

 お盆に向け、仏花として需要の高いリンドウが出荷の最盛期を迎えている。一関市弥栄の「いやさか農園」(小野寺泰男代表取締役社長)では、同社オリジナルを含む多彩な品種を栽培し、夏空の下で従業員が出荷作業に汗を流している。

 同社は栽培面積3ヘクタールで20品種を取り扱う。現在はパステル、白、青の3色計5品種で1日につき約1万7000本を出荷している。

 今年の初出荷は6月10日で、昨年よりも10日ほど早い。当初は暑さで生育が早まったものの、その後2週間ほどの長雨で遅れが生じ、ちょうど良い具合になったという。害虫は少なく、晴れ間を狙った防除によって目立った病気もない。出荷先は関東地方が中心で、他に仙台や、地元では道の駅、JAファーマーズいわて平泉とも取引している。

 さまざまな品種のうち、同社のオリジナル品種「ロマンブルー」は同市厳美町山谷地区から親株をもらい、同社で交配させたオリジナル品種で、深い藍色が特徴的。本県独自の「恋りんどう」、白い花を咲かせる「ホワイトベル」などもあり、従業員は手際よく収穫して作業場に運んでいた。

 リンドウ農家は高齢化で減少傾向にあり、弥栄地域では同社以外に4戸のみ。小野寺社長は「一時期は岩手産リンドウが全国の出荷量の8割を占めていた。県南は県北よりも早く出荷できる分だけ、販売で有利な面もある。今は需要期でなくても年間を通して売れる。栽培に挑戦する農家が、ぜひ増えてほしい」と話していた。

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