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GoTo 県南観光地、宿泊施設 誘客巻き返し期待 感染リスク、効果疑問視も 【岩手】

4連休初日から多くの参拝客が訪れている金色堂。境内に隣接する町営駐車場は県内外のナンバープレートを付けた車で連日満車=平泉町・中尊寺

 政府の観光需要喚起策「Go To トラベル」キャンペーンに続き始まった4連休の中、県南の行楽地や観光名所は連日多くの人出でにぎわっている。新型コロナウイルス感染予防対策に万全の注意を払いながら誘客巻き返しに期待を寄せる一方、再び高まる感染リスクへの不安や、概要がいまだ不透明なキャンペーンの効果を疑問視するなど、観光関係者の間では期待と不安が交錯している。

 主要な観光地には連休が始まった23日以降、学校の夏休みや好天もあり県内や隣県を中心に家族連れらが訪れている。このうち世界遺産「平泉の文化遺産」の構成資産となっている平泉町の中尊寺や毛越寺では雨模様となった25日も参拝客の姿が絶えることがなく、町営中尊寺第一駐車場は3日続けて午前中のうちに満車。町内では団体客を乗せた大型バスも見られた。

 一関市藤沢町の館ケ森高原エリアにある岩手サファリパークは18日から通常営業を再開。連休中は遠方からの来園に配慮し開園を通常より30分早めた中、県内外からマイカー客がどっと押し寄せ、好天となった24日には入園ゲート前から順番待ちの長い車列ができた。人出の増加要因について同園では、キャンペーンの効果よりも緊急事態宣言解除後の夏休みということで客足が伸びているのではないかと分析している。

 同市東山町の猊鼻(げいび)渓や幽玄洞も人出がほぼ平年並みに回復。このうち猊鼻渓で舟下りを運航するげいび観光センターでは書き入れ時のゴールデンウイークに新型コロナの影響で休業を余儀なくされたこともあり、キャンペーンには大きな期待を寄せている。しかしその一方では、申請方法など分かりにくさに問題があることも指摘。菅原喜哉代表取締役は「期待はあるが、全国的に感染が拡大する中、旅行に出掛ける雰囲気が醸成されるか不安だ」とも語っている。幽玄洞観光の渡辺和敏代表取締役も「お客さまに来てほしい一方、感染リスクが高まるのは避けたい。非常に悩ましい」と胸の内を明かした。

 県内有数の宿泊施設となる花巻市湯本の花巻温泉では、ホテル4館での連休中の予約率が県内をはじめとする東北地方を中心に最大8割に達している。館内では21日から最新のサーモグラフィーカメラを搭載した検温計を設置するなど感染対策を強化して客を出迎えているほか、キャンペーンの手続き方法や相談にも応じている。総合予約部の川村義秋次長は「感染対策を強化し、お客さまの安全を第一に考えながらサービスを提供したい」と誘客の巻き返しに期待を寄せる。

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