奥州・金ケ崎

演奏生活の愛用品故郷へ 北股地区セで公開 民謡三味線師匠・高橋さん【奥州】

「高橋藤穂コレクション展」を紹介する佐藤さん

 奥州市衣川出身で民謡三味線の師匠として長年活躍した高橋藤穂さん(千葉県市川市)の愛用品が、古里の北股地区振興会に寄贈された。奥州市の同級生らによる計らいで、貴重な資料も含む品々は奥州市衣川小田の同地区センターで「高橋藤穂コレクション展」として公開している。

 高橋さんは大平地区出身。故郷を出ての就職後に民謡三味線に取り組み、藤穂会の会主として300人近い弟子を育ててきた。演奏生活は50年近くに及んだが、近年は病を患いばちを手放したという。

 道具やテキストなどの一部は高校時代の同級生佐藤秀昭さん(80)=同市水沢字高屋敷=に託された。佐藤さんは「生まれ故郷への寄贈を」と思い立ち、元衣川村長の佐々木秀康さん(84)が仲介した。

 「コレクション展」に並んだのは三味線1丁をはじめ、カセットテープ66本、テキスト10冊など。特にテープは民謡の全集に基づき演奏・収録したもので、全国に伝わる楽曲の多くを網羅しているという。

 贈呈は7月29日、同センターで実施。佐藤さんは目録を手渡し、「高橋さんはとても世話好きな性格。寄贈がいくらかでも地元の役に立てば」と述べた。佐々木さんも「高橋さんは在京村友会の設立にも寄与し、会を演奏で盛り上げてくれたこともあった。思いが染み込んだ物が第二の人生のように活用されれば故郷に錦を飾れると思う」と願った。

 受け取った阿部睦雄振興会長は「貴重な資料・資材を頂きありがたい。衣川には各種芸能団体もあるので、皆さんに公開しながら北股の元気を取り戻すため活用したい」と感謝した。

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