北上・西和賀

北上の40代男性感染 新型コロナ 4人目、県南初

 県は、新たに北上市の40代会社員男性が新型コロナウイルスに感染したと発表した。発熱やせきの症状はあるが、重症ではないという。男性は中部地方の会社に勤務しており、県外で感染した可能性が高い。濃厚接触者の可能性がある家族2人について、PCR検査を実施する予定。県内の感染者は計4人となった。

 これまでに県内で感染が確認された3人との接点はないという。

 県によると、男性は7月25日まで会社に勤務。26日に名古屋便(小牧―花巻)を利用し、花巻空港から自家用車で北上市の自宅へ移動。27日に発熱、せきの症状が確認され31日まで自宅に滞在し、来客者計3人にマスクを着用して対応した。このほか、26~31日の間に自家用車で3回外出しているという。

 31日に北上市内の医療機関を経て帰国者・接触者外来を受診。PCR検査の結果、同日深夜に陽性と確認され、感染症指定医療機関に入院した。

 県では、詳細な行動歴や航空機で男性の前後左右2席の乗客についても調査を進めている。

 30日に感染が確認された矢巾町の40代自営業男性の濃厚接触者は、家族4人と従業員ら計7人で、PCR検査の結果、全員陰性だった。

広がりや影響懸念 対策継続求める声も 市民

 北上市内で初の新型コロナウイルスの感染者が確認された。誘致企業が立地し従来から人の往来が活発なだけに、市民や各界関係者からは感染拡大への懸念や経済、観光への影響、感染対策継続の必要性などさまざまな反応が聞かれた。

 農業小田嶋保雄さん(66)=和賀町岩沢=は「(県内、市内でも感染者が出たのは)仕方のないことで、気を付けていくしかない」とし、「地元でも関東に行った人が、こっちに帰ってこられないという話がある。これからお盆だが、その前の『Go To トラベル』キャンペーンで(感染者数の)推移がどうなるかが気になる」と心配そうに語る。

 会社員畠山沙妃さん(22)=上江釣子=は「岩手だけ(感染者が)出ないことはないと思って、これまでもマスクや手洗い、うがいを徹底してきた。会社でも希望すればテレワークをしており、検温や換気もきっちりやっている。できる対策をしてきており、やることに変わりはない」と冷静に受け止める。

 市民俗芸能協会理事長の菅原晃さん(73)は「ついに出たか、困ったな」と率直に語りつつ、「北上は人の行き来が多い所なので、これまでよく出なかったなという印象もある」と指摘。民俗芸能団体をまとめる立場から、「市民の感染予防の意識は非常に高い。感染者の確認に過度に反応するのではなく、自分はもちろん、所属する各団体の皆さんにもこれまでの防止策を徹底させたい」と改めて引き締めを図る。

 コロナ禍で春先から冷え込んだ市内経済、観光面への影響も危惧される。北上観光コンベンション協会長で北上地区タクシー業協同組合理事長の八重樫守民さん(71)は「覚悟はしていた。市などがさまざまな支援策を着々と打ち、少し経済も動き始めたと思っていたが、人の移動も少なくなり夜の飲食も自重気味になるのではないか」と懸念。「やるべきこと、打てる対策を打ち、少しでも安全・安心な観光をアピールしていかないと」と、感染拡大防止と経済、観光面との両立を模索する。

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