北上・西和賀

西和賀・錦秋湖大滝ライトアップ 日本夜景遺産に認定 ダム施設全国初

日本夜景遺産に認定された錦秋湖大滝ライトアップ。鮮やかなグラデーションで彩られている
観光振興取り組み評価

 日本を代表すべき魅力的な夜景として、西和賀町の錦秋湖大滝(正式名称・湯田貯砂ダム)ライトアップが第16回「日本夜景遺産」のライトアップ夜景遺産に認定された。ダム施設としては全国初の認定で、鮮やかな滝のグラデーションに加え関係機関、町を挙げた観光振興の取り組みなどが評価された。

 同遺産は、夜景観光コンベンション・ビューローが主催。今回は全国の自治体、事業者などの推薦で150カ所以上がエントリーされ、同ビューロー事務局が各候補地の調査や夜景マイスター(夜景検定1級の有資格者)による投票などで、4分類(自然、施設型、ライトアップ、歴史文化)21カ所を新たに夜景遺産に選んだ。

 錦秋湖大滝は2002年に建設され幅123メートル、高さ17・5メートル。例年、湯田ダムの水位が低くなる夏場にダム湖内にある貯砂ダムから水がカーテンのように流れ落ちる。

 町や北上川ダム統合管理事務所湯田ダム管理支所、町観光協会など町内の関係機関・団体で構成する湯田ダムビジョン推進協議会は毎年、この滝を七色にライトアップ。19年からは夜間の集客アップを狙い、照明設備を発光ダイオード(LED)に更新し常設した。ダムで滝のライトアップ常設は全国初という。

 計17本の水流に対し1本ずつ光の筋が生まれ、色鮮やかな滝のレインボーとなる。昨年までは7月下旬に「サマーLIGHTフェスティバル」を開催。滝のライトアップを貯砂ダムの内部から体感する歩行体験やグルメ展を開くなど、町全体で観光面に積極的に活用している。

 今年は新型コロナウイルス感染拡大防止のためイベントは中止するが、7月から10月11日まで3カ月間にわたりライトアップを継続。夏から秋にかけて、一帯に彩りを添える夜間観光資源として高く評価された。

 今回は同協議会として受賞。会長を務める細井洋行町長は「国土交通省(湯田ダム管理支所)の応援を頂き、ダムを活用し地域振興を図ってきたことが評価されてうれしいし、感動している。今後もダムを活用し、皆さんに楽しんでいただけるよう誘客に結び付けたい」と喜びを語った。

 県内の日本夜景遺産は、04年の第1回で認定された岩山公園(盛岡市)以来。今回は、JR釜石線宮守川橋梁(きょうりょう)の「めがね橋」(遠野市)と共に認定された。今回の認定で、全国の日本夜景遺産は261カ所となる。

momottoメモ

【いわて百景】
92.錦秋湖大滝(湯田貯砂ダム)/岩手日日2019年8月7日付《動画付き》

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