北上・西和賀

代替交通の実証運行へ 西和賀町 山伏線路線バス廃止で

 県交通が運行する西和賀町と盛岡市をつなぐバス路線の山伏線(ほっとゆだ駅―盛岡バスセンター、74・3キロ)が9月末で廃止されることを受け同町は4日、代替交通手段として10月から、別のバス事業者に業務委託し現行の運行内容を基本に貸切乗合バスの実証運行に乗り出す方針を明らかにした。運行日数は減るものの、利用状況を調査した上でその後の運行の在り方について検討する方針。

 町役場湯田庁舎で同日開かれた町地域公共交通活性化協議会の中で、町が明らかにした。

 山伏線は、1日1往復で毎日運行。町が行った5~7月の調査で1便当たりの平均乗車人数は2・2人。利用者の多くが高齢者で、7割近くが通院や買い物目的の利用。乗車場所の約8割が沢内地区だった。

 これを踏まえた実証運行案によると、実証期間は10月~2021年3月末までの半年間で、盛岡市のバス事業者東日本交通に運行を委託。運転手含め14人乗りのワゴン車を使い、運行本数は減るものの現在の山伏線と同様にほっとゆだ駅―盛岡バスセンター間を週3日、1日1往復する。停留所と料金も現行とほぼ同じ。利便性を維持する目的で町内全域をほぼフリー乗車区間とし、町外の停留所は減らす方針。

 同協議会では、山伏線の代替交通となる貸切乗合バスの実証運行案について了承。このほか同町と北上市を結ぶ県交通のバス路線・北上線(ほっとゆだ駅―北上駅、39・2キロ)が9月末で廃止される方針については、利用者が少なくJR線での移動が可能なことから廃止はやむを得ないとする結論を容認した。

 細井洋行町長は「山伏線はある程度利用のある路線のため、何とか別の交通手段を確保する必要があるとの思いで検討した代替手段。実証運行の結果を踏まえて、その後の望ましい在り方を検討したい」と述べた。

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