北上・西和賀

絵画と手芸、調和の妙 星さん夫妻が作品展 急病乗り越え合同開催【北上】

故郷の風景などを描いた作品を紹介する星良隆さん
急病の夫を助けようと縫いぐるみやパッチワークの作品を展示するトシさん

 北上市中野町の星良隆さん(81)、トシさん(76)夫妻の合同作品展は、同市芳町の北上地区合同庁舎県民ホールで開かれている。良隆さんが描いた絵画とトシさん制作のパッチワーク作品などが会場を飾り、西和賀町(旧湯田町)出身の2人が夫唱婦随で歩んだ半生を象徴するように温かみある空間を演出している。31日まで。

 良隆さんは定年退職後、展示会で絵画を見たのをきっかけに、63歳で趣味として絵画を始めた。教室に通ったり、画家から指導を受けたりするなどして技巧を学び、市内の絵画グループ「美樹会」で活動している。10回目となる今展では、自宅で作品搬出の準備をしていた際、急に体調を崩し入院を余儀なくされたため、トシさんが代わって展示作業に当たった。知人の勧めもあり、会場を彩るためにトシさんも急きょ作品を展示することにした。

 会場には、油彩を中心に2007年から最近までに良隆さんが描いた絵画15点を展示。残雪の山々を遠くに早苗の緑が映える様子や静寂感漂う錦秋湖などを描いた故郷の風景、北上市のみちのく民俗村の紅葉といったなじみ深い景色のほか、旅行で立ち寄った中国や新潟県の佐渡島など、自然の豊かさと美しさを繊細なタッチで表現している。雪舟の水墨画の模写など一風変った作品もある。

 作品管理の難しさと年齢を理由に個展開催に終止符を打ちたい考えもある良隆さん。作品の保管管理がしやすいよう今後は自作のキャンバスや額のサイズを統一し、制作に情熱を傾ける考えだ。

 一方、トシさんは、09年から最近まで制作したパッチワーク作品7点と手作りの縫いぐるみ21体を展示。パッチワークは、窓辺に咲くバラや花かごといったカラフルな作品や、仁王像や干支(えと)の寅、躍動感ある鬼剣舞と鹿踊(ししおどり)といった伝統芸能などをモチーフにしている。ユーモラスなサルや犬のダックスフント、アヒルなどの縫いぐるみも会場を彩っている。縫製会社に勤務経験のあるトシさんは、10年ほど前からパッチワークを習い始めた。良隆さんの急な体調不良に「夫を助けたい」との一心で自身の作品を初めて展示することにした。

 良隆さんは「退院して初めて妻が作品を展示したことを知り驚いた。思い出に残る展示にしたいと思っていただけに、知人の勧めに感謝している。癒やしを求めて絵は一生描き続けたい」、トシさんは「夫の病気を心配しつつ、会場に空きスペースをつくってはいけないと思い、出品した。針を持つのが好きで、苦労して作った品が出来上がった時の喜びはひとしお」と思いを語る。

 同展は土日曜日を除く午前9時~午後5時(最終日は午後3時)。

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