花巻

幸せなお産を 県内産院や母親の声紹介 地域医療を考える会が小冊子【花巻】

「いわてで産むノート」を紹介する新田代表

 花巻市を拠点に活動する「お産と地域医療を考える会」(新田史実子代表)は、地域で安心して出産、育児を行うためのポイントを紹介する小冊子「いわてで産むノート」を発行した。県内産院マップや母親たちの声、助産師案内、行政サービスなどを掲載。新田代表は「医療資源が乏しい本県で、状況を変えていくのは産む人たちの声。人間らしく温かな、妊産婦にとって幸せなお産を一緒に考えていけたら」と、発行に込めた思いを語る。

 柔らかいタッチのイラストや母親たちから寄せられた体験談なども織り交ぜ、さまざまな視点から「出産環境」を見詰めた内容。県内産院を分かりやすく図示したマップ、安心出産の体づくり方法、産前産後ケア施設、おすすめ参考文献といった情報を網羅する。「『産ませてもらう』のではなく『産む』のはあなたです。満足のいくお産をするために自分のお産に主体的に向き合い、努力しましょう」と呼び掛ける。

 産むノート作成は2019年秋、同市の2産科医療機関のうち一つが産科診療を休止するというニュースをきっかけに始まった。県立中部病院の分娩(ぶんべん)数制限も背景に関係各所への取材、情報収集を進め、今春“難産”の末に完成。2000部製作され、同会会員や県内医療関係者に配られた。

 同会は、04年に県立花巻厚生病院(当時)の産科閉鎖をきっかけに、地域医療の充実を願い設立された。16年が経過しても状況が改善されたとは言い難いものの、新田代表は「これから出産する方、産前産後の母親たちに読んでほしい。医師不足の岩手でも、妊産婦の意識次第で良い出産環境をつくれるのではないか」と希望を抱く。多くの市民に冊子の情報が届くよう、子育てサポート団体や医療関係者、看護学生にも読んでほしいと望む。

 B6判カラー、20ページ。問い合わせは同会事務局のフェアトレードショップ、同市上小舟渡「おいものせなか」=0198(22)7291=まで。

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