奥州・金ケ崎

古民家活用のカフェと貸しスペース きょうオープン 岩隈さん(元町地域おこし隊員)が起業【金ケ崎】

オープンを迎える「古民家交流空間 永―TOKOSHIE」の前に立つ岩隈さん
交流の場へ意気込み

 金ケ崎町永栄平の下に29日、カフェと貸しスペースを備えた「古民家交流空間 永―TOKOSHIE」がオープンする。開業した合同会社いと・をかしの代表社員岩隈大樹さん(33)は元町地域おこし協力隊員で、金ケ崎との縁を強めて移住した。「永」を交流と地域振興の場にしたい考えで、「若者が地域で楽しく生きて稼げる環境をつくるため自ら実践したい」と意気込む。

 建物は築約130年の古民家を改装し、床面積は約200平方メートル。「cafe永」は20席で、地場産品も活用したメニューを提供する。貸しスペースは土間・板間と10畳の座敷を用意。将来的には主催イベントの開催や民泊などの展開も視野に入れている。

 岩隈さんは埼玉県出身で、東京都のシンクタンクでダム建設などに際しての遺跡調査を担当した。同協力隊には2014年に赴任。消える遺跡を記録するのではなく活用して未来に残したい思いから、歴史講座など金ケ崎の歴史文化の発信に携わった。

 3年の任期後は大学院で郷土史学習を研究してきたが、「たくさん世話になり、離れてから思いが強くなった」と19年10月に移住に踏み切った。

 起業は「人の縁もある。楽しく生きていく上でできることがある」として決意。地域の紹介を受けて以前から知っていた古民家を購入し、昨年から段階的に改装を進めてきた。

 完成に「県南地方にもかなりの数の古民家があるが、ただ保全するだけでは維持費がかかるばかり」と活用への思いが高まる岩隈さん。「若者をはじめ、来てくれる人の思いもくみ、人の輪が広がる場所にしたい」と展望する。

 カフェの営業時間は午前11時から午後5時までで、月、火曜が定休。スペースの利用は座敷が3時間1000円、土間・板間が1500円など。

 問い合わせは岩隈さん=080(5403)8643=へ。

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