花巻

賢治作品朗読集CDに 伊藤諒子さん(上根子)製作 方言交え味わい深く【花巻】

宮沢賢治方言作品朗読集を手掛けた伊藤さん

 花巻市上根子の伊藤諒子さん(75)は宮沢賢治作品を朗読したCD「まことの愛そしてさいはひ・宮沢賢治方言作品朗読集」を製作した。方言の味わいやぬくもりを吹き込み、「方言を生かした朗読は地元で年齢を重ねてきた自分たちにしかできないことでもある。若い方々に良さを伝えたい」と使命感をにじませる。

 伊藤さんは、同市上町の賢治の広場で賢治作品を朗読する「ざしきぼっこの会」の会員として10年ほど活動。昨秋、方言を交えた朗読について同会が発表や指導の依頼を受けたことがきっかけで朗読作品を音源化することを決意した。

 CDは2部構成で、詩8編のほか、ともに20分を超える童話「虔十公園林」「祭の晩」の計10編を伊藤さんが1人で録音。「永訣の朝」「無声慟哭」などを収録する1部「まことの愛、そしてさいはひ」は、「何が人にとっての幸せか」などの踏み込んだ内容をどう表現するかに苦労した。特に「薤露青(かいろせい)」の「いとしくおもふものがそのまゝどこへ行ってしまったかわからないことがなんといふいゝことだろう」という一節は「妹の死を受け入れた賢治の心が表されており、この作品を入れたいと考えた」と思い入れがあるという。

 「異次元感応」と銘打った2部は「青森挽歌 三」「風林」「早池峰山巓(さんてん)」「祭の晩」と賢治の精神性や発想の豊かさを感じさせる作品を選出。作品世界を自分なりに理解するのに時間をかけた一方で、花巻で育ったため方言は自然に使いこなせたと振り返る。

 音源を完成させたことについては「全編を朗読して賢治の考え方の深さ、家族への愛の深さなどを改めて感じた。感情を込めて声に出し、耳にすることで気付くこと、伝わるものがある。言葉から賢治の世界が広がり、多くの人に魅力を感じてもらいたい」と願う。

 CDは200枚製作。同市高松の宮沢賢治イーハトーブ館で1枚1000円(税別)で販売している。

 問い合わせは伊藤さん=080(1800)3414=へ。

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