一関・平泉

運転手は救護と通報を 一関署管内・接触事故多発 ひき逃げとして捜査も

7月27日に乗用車と自転車が衝突した同市釣山地内の現場

 一関署管内では7月中旬ごろから車と児童生徒が接触する交通事故が複数件発生している。事故後に運転手が子供たちのけがの有無を十分に確認しないまま立ち去るケースが見られ、同署では「ドライバーに悪意がなくてもその場を離れてしまうと『ひき逃げ事件』として捜査することになる。けがの程度にかかわらず必ず通報してほしい」と呼び掛けている。

 同署によると、小中学校や高校が夏休みに入った頃から、児童や生徒が車と衝突する事案を4件確認。事故直後に運転手が声を掛けたものの、救護や警察への通報を行わずにその場を立ち去るケースが見られるという。

 7月27日には同市字釣山地内の交差点で車と自転車の衝突事故が発生。上の橋方面から同市字釣山方面に進行し、同市萩荘字脇田郷方面に右折する乗用車と同橋方面から釣山方面に進行していた自転車が衝突した。運転手の40代男性は自転車に乗っていた市内の高校に通う男子生徒(1年)に声を掛けると立ち去ったが、目撃者がいたことから事態が発覚した。男子生徒にけがはなかった。

 4件は発生場所や時間帯が違うものの児童生徒が被害に遭っている共通点があり、同署では新型コロナウイルスの影響で外出が制限されていた反動から、夏休みに入り外出する児童生徒が増えていることが要因として考えられるという。

 同署では今後も同様の交通事故の発生を抑止するため、管内の小中学校と高校に啓発文書を配布し、▽けがの有無にかかわらず110番通報するか事故当事者、付近の人に通報をお願いする▽相手方の氏名や連絡先、車のナンバーを確認する▽その場で保護者または学校に必ず連絡する―ことを呼び掛けている。

 同署の鈴木圭市交通課長は「一歩間違えば重大事故に発展する恐れがある。車と衝突することがあったら、けがの有無にかかわらず被害者も加害者も110番通報してほしい」と話していた。

地域の記事をもっと読む

一関・平泉
2024年4月20日付
一関・平泉
2024年4月20日付
一関・平泉
2024年4月20日付
一関・平泉
2024年4月20日付