北上・西和賀

11月24日開院へ 新築移転工事が完了 北上済生会病院

完成した北上済生会病院新病院の建物。11月の開院へ周辺道路も整備が進められている=北上市九年橋

 北上市九年橋の旧県立北上病院跡地で進められていた北上済生会病院の新病院本体の新築工事が完成した。11月24日に外来診療の開始を予定。開院に向け同院は今後、本格的に医療機器や各備品などの搬入作業、準備を進める。市は周辺道路を整備しており、万全の形で新病院開院をフォローする。

 同市花園町にある現病院は狭く老朽化し、耐震性の問題もあり移転新築する。社会福祉法人恩賜財団済生会岩手支部が建築主体で竹中工務店、平野組、小原建設の特定共同企業体(JV)の施工で2018年10月着手。順調に工事が進み、予定通り20年8月上旬に本体工事が完了した。

 新病院本体は鉄骨造り5階建ての耐震構造で、延べ床面積約1万6000平方メートル。病院本体と駐車場、保育所棟合わせて敷地面積約2万900平方メートル。駐車場は現病院より約50台多い220台分を確保する。

 総病床数は現在稼働分より28床少ない224床。一般病棟114床(現稼働比38床減)、小児・産婦人科病棟50床(同6床減)となるが、中核病院の一つとして引き続き急性期医療を担う。回復期リハビリテーション病棟は60床(同16床増)と充実させる。

 フロアは1階に外来、救急、検診などに対応する保健予防センター、2階に人工透析室やリハビリテーション科、薬剤、管理部門、3階に回復期リハ病棟、小児・産婦人科病棟、4階に一般病棟、5階にエネルギーセンターなどをそれぞれ配置。市の要請に応じ1階には地域医療福祉連携室、保育所棟には病後児保育室を置く。

 新築移転の総事業費は約100億円。市は20年度までの3カ年で15億円(国負担含む)を交付する。

 市は新病院周辺の市道歩車道改良工事を手掛けており、主に歩道を拡幅。バスレーンなども設け、全幅は最大16メートルに広がる。新病院北側の十字路交差点では右折レーン設置へ工事を本格化させる。新病院南側の丁字路交差点は周辺にスーパーや量販店などが立地しており、開院後はさらに交通量増加が見込まれるため県に信号機新設を重ねて要望している。

 新病院開院に伴い11月24日から、市拠点間交通「おに丸号」各路線や県交通など路線バスのルート、ダイヤも一部変更となる。

 同院は医療機器、備品などを搬入後、新病院開院に向けた準備や訓練を行い、開院直前に数日間かけて移転を完了させる。同院では「業者の尽力もあり予定通り無事、新病院の建物が完成できた。今後は機器などの移転作業に万全を期し、11月24日の開院に備えたい」としている。

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