北上・西和賀

「勇気もらった」 地元からねぎらいの声 八重樫選手引退【北上】

現役引退を発表した激闘王・八重樫東選手(右)。15年間のプロボクサー生活にピリオドを打った=2018年3月26日、東京・後楽園ホール

 プロボクシングの元世界3階級王者の八重樫東選手(37)=大橋、北上市出身=が1日、現役引退を表明した。「激闘王」として数々の死闘を繰り広げた八重樫選手。関係者や地元住民からは「一生懸命よくやった」「ご苦労さま」とねぎらいの言葉が寄せられた。

 同選手後援会長の城澤謙吉さん(81)=同市新穀町=は「去年の暮れに(世界タイトル戦を)戦ってから試合がなく心配していた。年齢も年齢だけに、この日が来るのはある程度予想していた」と受け止めつつ「たたかれてもたたかれても向かっていく闘志には感動し、みんな勇気をもらった。普通の選手だったらとっくに引退していたと思うが、プロとして15年間大変頑張ったと思う。本当にご苦労さんと言いたい。これからも今までの経験と実績を糧に頑張ってほしい」と、引退後の活躍に期待した。

 後援会員で八重樫選手の実家近くに住む佐藤秀城さん(61)=同市新穀町=は「北上から世界チャンピオンとなり、まさに地元の誇り。地元を盛り上げていただいた。ご苦労さまでした」と語り、「前に出て打ち合う姿には興奮させられた。まずはゆっくり休んで、地元にも帰ってきてほしい」とねぎらった。

 八重樫選手が黒沢尻工業高校1年時に指導した同校ボクシング部監督の辰柳祐司さん(58)=花巻市西宮野目=は「入学時は周りに比べ一番体は小さかったが、おじけづくことなく瞬発力を生かして相手の懐にどんどん潜り込み、果敢に攻めるファイトスタイルは当時からのもの」と振り返り、「努力を重ねた15年。勝ち続けてきたプロボクサー人生ではないが、長きにわたってボクシングへの向き合い方や試合を通じて楽しませてくれた。よくぞここまでやってくれた。お疲れさまという思い」と教え子をたたえた。

 八重樫選手の父昌孝さん(72)は「3、4日ほど前に(引退の)記者会見をすると電話があった。ちょっと寂しいが、体を考えるともう限界。けががつきものだが、プロとして15年間、これほど長くやれるとは思わなかった。褒めてあげたい」と強調。「地元の皆さんからの応援は本当にありがたかった。皆さんに『ありがとうございました』と言いたい」と感謝した。

 八重樫選手は2011年、世界王者となり市民栄誉賞「第1号」を受賞。髙橋敏彦市長は「これまで数々の素晴らしい試合を見せていただき、ありがとうと伝えたい。諦めることなく目標に向かって前進し、次々と夢を実現し続ける姿は、東日本大震災からの復興を遂げようとする全ての人々にたくさんの元気と勇気、感動を与えてくれた。お疲れさまでした」とのコメントを出した。

momottoメモ

▲八重樫が引退表明 ボクシング元世界3階級王者

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