一関・平泉

汚水浄化し循環利用 環境保全や災害時に 平泉でトイレ展示説明会

循環式トイレの仕組みについて説明する鳴瀧代表取締役

 外部からの電源を使わずに汚水を浄化し再利用する循環式トイレ「エコまるくん」の展示説明会が3日、平泉町役場で開かれた。世界遺産平泉の理念や、SDGs(持続可能な開発目標)の精神にのっとり安全で衛生的な水洗トイレ導入を計画している同町が企画したもので、町内や近隣自治体の関係者らが訪れ、環境保全はもとより災害時にも効果を発揮するシステムに理解を深めた。

 エコまるくんは兵庫県西宮市の同名企業(鳴瀧泰史代表取締役)が開発したもので、汚物と汚水を固体と液体に分離後、固体は汚泥分解材で処理。液体はオリゴ糖発酵濾(ろ)材などで化学的酸素要求量(COD)を低減し、アンモニアを取り除いた浄化水として水洗トイレに循環利用する。

 汚水の浄化処理に使う省電力ポンプや照明に必要な電力は屋外に設けた太陽光発電のみで賄うことができ、水洗トイレの用水も浄化水を利用することから上下水道や電気がない地域でも独立したシステムとして設置が可能。常設による環境保全の効果はもとより、災害発生時などには容易に現地へ移設できるため各方面から注目を集めている。

 説明会では、鳴瀧代表取締役が新型コロナウイルス感染拡大に伴い追加設置した、利用者が退出後に自動で10秒間除菌処理する設備も紹介。「女性も安全、清潔な環境で利用できることはもとより、世界遺産に登録された平泉の景観に合わせて外観を木製にしたトイレを11月にも町内に試験設置したい」と語った。

 「エコまるくん」は5日午前にも平泉世界遺産祭の会場となる観自在王院跡で展示公開される。

momottoメモ

▲5、6日に世界遺産祭

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