世界のナスに興味津々 研究成果を公開 県農研セと岩手生物工学セ【北上】
県農業研究センターと岩手生物工学研究センターの一般公開デーは5日、北上市成田の両センター一帯で開かれた。来場者は研究成果の発表や農産物、農産加工品の販売、収穫体験など多彩な催しを楽しんだ。
農研センターでは品目、テーマごとにミニセミナーを開催。「農業に親しもう」コーナーでは昆虫、害虫の標本や農業用ドローン(小型無人飛行機)、現在と昭和10年代の県内市町村別葉いもち病発生図のほか、中国、マレーシア、ベトナム、インドなど世界各国のナスを出展。病害虫防除対策を記したパネルも設置され、来場者は足を止めてじっくり見入っていた。
国ごとに色も形状も全く違うナスに、鈴木尊人君(9)=黒沢尻西小3年=は「同じナスでもいろいろあってびっくりした。昆虫も面白い」と目を輝かせ、父親の尚典さん(43)=同市町分=は「病気を克服し、自分たちが安全に食べられるよういろいろな研究をしていることが分かった」と充実した表情。会場一帯では野菜や果樹、花き、加工品、農業用資材などが販売されたほか、ロボット草刈機実演、枝豆の収穫体験などが催され、農業科学博物館も無料公開された。
生物工学研究センターでは、来場者がバイテク実験体験やきのこの特別販売、クイズラリーを堪能。世界的ないもち病拡大の脅威を記すパネルも出展され、職員は「食糧難が身近になっている。世界的な対策が必要」と解説していた。
県内でも新型コロナウイルスの感染確認が相次いでいるが、研究成果を広く発表する機会として感染防止策を徹底した上で開催。県農研センターの担当者は「来場者は例年より少ないが、思った以上に来ていただいた」と成果を語っていた。