大瀧さん楽曲「君は天然色」導入決定 発車メロディー 水沢江刺駅【奥州】
奥州市のJR水沢江刺駅の発車メロディーとして、同市江刺出身のミュージシャン大瀧詠一さん(1948~2013年)作曲の「君は天然色」が10月1日から採用されることになった。市と、官民協働による「水沢江刺駅発車メロディ導入実行委員会」(会長・小沢昌記市長)で導入を要望していた内容に関し、JR東日本盛岡支社長から了承する旨の回答があったことを9日、市が表明した。同曲をアレンジした上り線用、下り線用の2種類のメロディーが乗降客を迎える予定で、同市の全国発信や観光効果に期待を高めている。
発車メロディーに大瀧さんの楽曲を希望する人たちで結成した大瀧詠一応援団(石川悦哉団長)が1月に市長宛に要望書を提出し、市は今年度予算に機器更新作業、著作権料の経費を計上。6月に同応援団、江刺大瀧詠一顕彰会(高橋晋会長)らと市、関係機関・団体で導入実行委を設立し、同月にJR東日本盛岡支社長への要望を行った。
9日に市役所で開かれた定例会見で小沢市長が、4日付で市長、実行委会長宛てに、了承する旨の回答があったことを公表。「署名を頂き、団体の方も一生懸命運動した要望がかない、10月1日から流れることはありがたい。一つの起爆剤として利用客が増え、市の知名度アップにも大いに期待している」と語った。
署名活動などさまざまな取り組みを通じ、機運盛り上げに尽力してきた団体側も活動結実を喜んでいる。市役所で報道機関の取材に応じた石川団長は「関係の皆さんに感謝する。(新型コロナウイルスで)落ち込んだ観光、物産など全てに良い方に循環できれば何よりだ」と語り、高橋会長も「大瀧さんが残した素晴らしい曲や存在を世の中に広め、奥州市が発展していけば」と期待を寄せた。
市商工観光部商業観光課によると、発車メロディーは市が委託業者に依頼して編曲し、下り線が同曲のオープニング部分、上り線が「さび」の部分をアレンジした15~20秒程度の内容となる予定。10月1日は、上りが「はやぶさ102号」(同駅午前6時38分発)、下りが「はやぶさ・こまち95号」(同7時22分発)を皮切りに全ての同駅停車列車の発車で流される。市では事業費として編曲委託料やメロディー更新費用といった初期費用約50万円のほか、著作権料として年4万円程度を見込んでいる。
市では10月中に発車メロディー放送開始セレモニーを計画しているほか、現在展示内容の見直しなどを進めている同駅構内の南岩手交流プラザの中に、大瀧さん関係のコーナー開設を考えており、できれば10月1日に間に合うよう関係団体と内容検討や準備を進めていく。