レジオネラ菌で男性死亡 基準値最大6200倍超 高繁旅館利用・西和賀
県は11日、西和賀町湯川の温泉施設・高繁旅館からレジオネラ属菌が検出され、利用した県内の60代男性がレジオネラ肺炎で死亡したと発表した。
県県民くらしの安全課によると、男性は8月に同施設で日帰りで入浴。帰宅後体調が悪くなり医療機関に収容され、死亡が確認された。
県は今月1日、同施設に立ち入り調査して菌株を採取。遺伝子検査の結果、男性患者の菌株と遺伝子パターンが一致した。
同施設の内風呂、露天風呂などの浴槽とシャワー水、カラン水など11検体のうち8検体で基準値を超過。最大で6200倍超えた。
同施設は2日正午から営業を自粛。中部保健所は同施設に浴槽、配管、シャワーなどの清掃消毒作業と水質の再検査などを指導した。
県内では、2015年に盛岡市内の公衆浴場を利用した50代と70代の男性2人がレジオネラ肺炎で死亡している。県は今回の施設利用者に対し、呼吸器症状などがみられる場合は医療機関の受診を呼び掛けている。
レジオネラ症 レジオネラ属菌に汚染された水のしぶきなどから菌を吸い込むことで感染。人から人への感染はない。健康な人も罹患するが、幼児や高齢者、基礎疾患のある人の発病が多いといわれている。肺炎と比較的軽症のポンティアック熱の2種類があり、肺炎は潜伏期間が2~10日程度。重症になると死亡することがある。