旧南光病院跡地取得へ 22年度分譲開始 一関市、産業用地に活用
一関市は14日、同市真柴の旧県立南光病院跡地を新たな産業用地として活用するため、県医療局から取得すると発表した。勝部修市長が市議会議員全員協議会で明らかにした。市は既に折衝中のIT(情報技術)、テレワーク事業などを行う企業をはじめ、事務的職業など非製造業の誘致を想定しており、雇用拡大が期待される。今後は10月から県医療局との譲渡契約に向けた価格交渉などを進め、12月の本契約を目指す考え。造成後の分譲開始は2022年冬を予定している。
跡地の利活用をめぐっては、00年2月締結の覚書で市と県医療局が協議することとされていたが、06年4月に狐禅寺地区に同病院移転後は、14年間未利用のままとなっていた。
19年度の一関東第二工場団地完売に伴い、新たな分譲可能地の確保が必要となり、市として産業用地の造成を検討。市街地の中心部にほど近く、東西の主要幹線道の国道284号もあることから市が目指す産業集積拠点として整備することを決め、県医療局と協議してきた。
譲渡を受けるのは跡地全部で、病院用地(病院建屋)や作業療法用地(グラウンド、農場など)を合わせて7万3656平方メートル。敷地内にある旧病棟などの建物は全て県医療局が解体して更地化する。
市は跡地を全取得した上で、企業誘致の推進と就労環境の整備に力を入れる。現在折衝中のITとテレワーク事業など事務的職業の企業を誘致することで製造業以外の雇用が生まれ、住民の職業選択肢の拡大に寄与できるという。
勝部市長は「当該跡地の利活用は多くの市民が関心を持っていると感じているところが多い。複数の企業から問い合わせいただいている場所。優先的にこちらへの企業誘致を進めたい」と語り、誘致を目指している企業の評価については「過去の企業誘致で5本の指に入る」と断言した。
市は市議会9月定例会の最終本会議に、跡地の土地調査費と測量設計委託費を盛り込んだ補正予算案の提出を予定しており、12月定例会には本計画に向けた財産取得議案の提出を見込んでいる。