「ちほみのり」直播に手応え 稲刈り始まる 土井田営農組合【奥州】
奥州市水沢佐倉河の土井田営農組合(千葉政三組合長)は、同市胆沢若柳字北丑転地内で行っている直播(ちょくはん)栽培の水田の稲刈りを始めた。稲刈りは5月に多収穫品種「ちほみのり」を代かきと同時に播いた圃場(ほじょう)で実施。直播のため収穫時期は10月ごろとも考えられたが、わせ種のちほみのりは予想よりも早く収穫を迎えた。丈が短めで倒伏にも強く、さらに分けつも予想以上となり、同組合では来年以降への手応えを感じている。
同組合は作業受託していた農家5人で今年4月に設立。2020年は受託している佐倉河地内でダイズ、若柳地内で水稲を作っている。今後の高齢化の進展をにらみ、低コスト農業を進めるといい、水稲では新たな品種を導入して直播栽培に取り組んでいる。
直播作業後、品種の特性が発揮され、畦畔沿いにたどり着いた種も根を張るなど「まいた分が生えてきた」状況。また、分けつも進み1粒から15株ほど、多い物だと50株ほどになった。7月の長雨で心配もあったが、8月の高温などで順調に育ち、予想を上回る速さで適期を迎えたという。
コンバインによる稲刈りは、16日にスタート。「水の取り込み口などは少し遅れている」と、イネの状況を見ながら刈り取る部分を見極めての作業。ただ「早く仕上がったのは助かる」と出来秋に笑顔を見せている。
受託作業に当たる上で同組合では「働き手が少ない農家が増えているだけに、直播は育苗器で根を出すだけで苗を育てるより楽」と言い、「わせ種で倒伏の恐れがない品種だと、計画が立てやすいことは実感した」と語る。今年の状況を見ながら「来年は2倍にしたいと考えている」と希望を膨らませている。