市街地のビルに活気 野菜や加工品販売 こもれび朝市【花巻】
県内の農産物生産者らがこだわりの商品を販売するイベント「こもれび朝市」が27日、花巻市上町の高源上町ビルで開かれた。新鮮な野菜や果物、加工品、農産物を使ったお菓子などが並べられ、買い求める市民らで活気にあふれた。
2018年に行われたリノベーションスクールの受講生らが立ち上げた任意団体「The Living Source Houseプロジェクトチーム」(松田忠代表)が、農機具の倉庫や集会場として利用されていた同ビルを再活用し、「街中で、ちょっと特別な朝の暮らしの風景を描く」をコンセプトに開催。新型コロナウイルスの影響で飲食店が休業し、出荷に苦悩する農家の一助となることなども狙いとしている。
会場では同市を中心に農園や農業団体ら9店が出店。ダイコンやナス、エダマメ、リーフレタス、リンゴといった生産物のほか、南部小麦を使ったクッキーやリンゴジュース、ジャム、ドレッシング、植物ランプなど多彩な商品が並び、来場者が店員との会話も楽しみながら手に取っていた。
手作りみその「みそっこクッキー」や玄米粉を使ったブラウニーなどを販売したやえはた自然農園(同市石鳥谷町)の藤根香里さんは「こういう物販の機会は今年初めてでありがたい。お客さんにも楽しんでいただいている」と語った。
イベントは入場無料。同日を皮切りに10月18日、11月22日、12月20日の計4回の開催(いずれも午前8時~11時)を企画している。
松田代表は「市街地にあるビルが年輪を重ねた大きな木のようなイメージだったので、暖かい『こもれび』の名前を付けた。朝の市は年配の方々には懐かしく、若い人たちには新鮮に楽しんでもらえると思う。できるだけ継続していきたい」と話していた。