出来秋を体感 知事と生徒が稲刈り 金色の風【一関】
本県のフラッグシップ米「金色(こんじき)の風」の稲刈り行事は28日、一関市中里の一関遊水地で行われた。達増拓也知事が作付け農家や地元中学生と稲を刈って出来秋を体感し、市場デビューから4年目を迎えたブランド米の好調な販売を期した。
JAいわて平泉、JA岩手ふるさと、JA江刺の「金色の風」栽培研究会による恒例行事で、今年も5月の田植え行事に引き続き主催。金色の風の作付け3年目となった小野寺俊行さん(43)=同市中里字南白幡=の圃場(ほじょう)で、達増知事がコンバインを操作して収穫した。さらに、隣の圃場に移動し、授業の一環で稲刈りを体験していた桜町中学校2年生105人をはじめ、県「金色の風」栽培研究会の森岡誠会長と小野正一、高橋貞信両副会長、勝部修市長、JAいわて平泉の佐藤鉱一代表理事組合長と共に鎌を使って稲を刈った。
作業後には作付け農家を代表し、森岡会長が「おいしいコメを消費者に届けようと県南の農家に研究してもらい、県や関係各位の指導を受けた。天候にも恵まれ、良い味が出ている」と作柄を報告。「販売では知事に一翼を担って力を入れてほしい。県内外にPRしていくが、やはり県民においしいと言ってもらえれば全国に広がる」と願った。
達増知事は長雨や猛暑に見舞われながら出来秋を迎えた生産者の労をねぎらい、「新型コロナウイルスの感染対策をしながら県としても宣伝したい。生産、販売、消費に至るまで力を合わせ、金色の風を先頭に岩手の農林水産物を県内外に広めていく」と、PR活動を展開する姿勢を示した。
金色の風は県が10年かけて開発したオリジナル水稲品種で、2017年に市場デビューした。良食味と高品質を実現するため一関、平泉、奥州、金ケ崎の4市町を栽培適地として作付け農家を厳選し、栽培マニュアルに沿って管理される。森岡会長によると、今年は栽培管理の努力もあって収量、おいしさの目安となるたんぱく質の数値は良好という。
県産米戦略室によると、今年の栽培面積は約280ヘクタール。稲刈りは平年並みか、やや遅れ気味とみられる。