牛切手 自宅でじっくり 1100点をウェブ公開 牛の博物館企画展【奥州】
奥州市前沢字南陣馬の市牛の博物館は、ウェブ企画展「世界の牛切手」を同館のホームページ(HP)上で開いている。新型コロナウイルスの感染予防のため、感染する心配がない方式で開催。同館が所蔵する牛が題材の切手約1100点を一挙に公開している。31日まで。
コロナ禍では同館も企画展の変更など急な対応を迫られ、ウェブでの展示につながった。企画展では、画面上でじっくり見られるとして切手にスポットを当てた。牛の切手は開館当初から収集を続け、大々的な公開は1996年に開いた「切手にみる世界の牛たち」以来。新たに収蔵した物も紹介している。
牛は農耕をはじめ生活に密着した家畜で、世界中で頻繁に題材にされている。HPでは図柄を20種に大別し、解説を添えた。中華圏には丑(うし)年の切手がある一方、西洋ではキリストが降誕した小屋で家畜が飼われていたとされ、クリスマスの切手に牛が登場する。各地の農耕の様子やご当地品種、闘牛などの祭りや行事でも盛んに描かれている。
収蔵している切手を発行元の国ごとに整理したところ、世界地図のほとんどが埋まったという。96年の企画展当時でも牛の切手は世界に3000点近くあったが、現在はさらに増加しているとみられる。
担当の川田啓介館長補佐兼上席主任学芸員は「海外旅行がためらわれる時勢に、切手を通して世界中を見られる企画。今回分類・解説した分だけでもこれだけの切り口があるのを見てほしい」と閲覧を呼び掛けている。
館内でも、常設展示の特設コーナーで精選した切手の実物を公開。ウェブならではの連動企画として、同館の各インターネット交流サイト(SNS)で切手を1日1点紹介している。問い合わせは同館=0197(56)7666=へ。
同館のHPアドレスは次の通り。