ブドウ大粒種 可能性探る 農家ら情報共有 大迫で検討会【花巻】
JA全農いわての「ぶどう大粒種検討会」は5日、花巻市大迫町の市葡萄(ぶどう)が丘農業研究所で開かれ、農家や関係者ら約50人が今年の生育状況や今後有望な大粒種について情報共有した。
同JAや県農業普及技術課、県農業研究センター園芸技術研究部果樹研究室、同研究所の担当者らが大粒系ブドウの販売概況や生育状況などを説明した。
ブドウ市場販売情勢については、シャインマスカットは9~11月の出荷量が前年比112%、平年比138%と増加傾向が続いていることなどが示された。今年の生育状況は7月の日照不足により新梢の生育が弱めで生育した園地があったこと、着色にばらつきが見られたことが報告された。
試食には同センターや同研究所などから育成中の岩手オリジナル黒色品種なども含め17種類が用意され、「皮ごと食べても良さそうだ。早く栽培したい」「消費者に受けるネーミングを考えてもらいたい」などの意見が出された。
果樹研究室の石川勝規室長は「種なしで丸かじりできるというのが、新しい品種を出す上で大きなポイントになってくる。本県にはオリジナルの黒ブドウ大粒種がないので、皆さんと話し合いながら可能性を探っていきたい」と語った。
同町大迫で40アールにブドウ4種類を作付けしている若柳利男さん(71)は「いろいろと食べてみて、味などに違いを感じた。黒系の大粒種は栽培してみたい。種がなくて皮ごと食べられ、病気にも強いとさらに良い」と話していた。