舞台で14団体 躍動 みちのく芸能まつり 特別公演始まる 北上
北上・みちのく芸能まつり特別公演は17日、北上市文化交流センターさくらホールで始まり、初日は郷土芸能に励む女性が出演する「GEINO女子交流会」と神楽公演が行われた。無観客で関係者のみが見守る中、県内の延べ14団体の出演者がステージで躍動。動画投稿サイト「ユーチューブ」のライブ配信を通じ、コロナ禍の中で郷土芸能の魅力を発信した。
新型コロナウイルスの影響で8月に開催予定だった第59回同まつりが中止となり、2021年の第60回記念につなげようと2日間にわたり特別公演を開催。前半の女子交流会で8団体、後半の神楽公演には6団体が舞台に立った。
女子交流会では小鳥崎さんさ踊(北上市)の優雅な踊りでオープニングを飾り、達谷窟(たっこくのいわや)毘沙門神楽(平泉町)も御神楽など2演目を披露。踊り手を務めた千葉優愛さん(15)=水沢農高1年=は「(無観客で)寂しい感じだったが、ちょっと緊張した。今年はあまり発表の機会がないだけに、貴重な機会になった。今度はお客さんのいる前で踊りたい」と目を輝かせた。
鬼柳鬼剣舞め組(北上市)は女性の踊り手たちがエネルギッシュに三番庭、膳舞、二人加護の3演目を演舞。リーダーの紺野弘子さん(62)は「久々の舞台でみんな緊張していたが、他団体にも触発され練習通りの力を出せたと思う。もっと腕を磨いて来年の60回記念では、みんなの前で踊りたい」と力を込めた。
同日はこのほか土沢神楽(花巻市)、成田神楽、更木神楽、和賀大乗神楽(以上北上市)、中野七頭舞(岩泉町)などが出演。各団体とも今年は新型コロナで練習時も感染防止に最大限気を使い、公演の機会も限られる中、精いっぱいの演舞を見せていた。
同まつりの石川博文実行委員長は「第60回に向け万全を期すため苦渋の決断で無観客とし、その分ライブで全国に発信した。どこまで伝わるかは分からないが、今後のPRの一つのツールにしたい」と話した。
18日は午前10時30分から夕方まで、高校生芸能フェスティバルとベテラン団体公演が行われる。計12団体がステージに臨み、同様にライブ配信される。