来年度から2年保育 奥州市公立幼稚園 利用減で入園年齢調整 羽田、佐倉河、岩谷堂、南都田
奥州市は市内公立幼稚園の2021年度入園児募集内容を変更し、羽田、佐倉河、岩谷堂、南都田の4園で21年度から現行の3~5歳の3年保育を、4~5歳の2年保育とすることを明らかにした。保護者の施設利用ニーズの変化により幼稚園の利用が極端に減少している状況から、適正規模の園児数へ入園年齢の調整を図る。
19日の市議会全員協議会で変更内容を公表。市側は、25年度までの期間で公立幼稚園廃止や認定こども園新設などを盛り込んでいる市立教育・保育施設再編計画に基づき、今後、公立幼稚園の閉園時期を明らかにする計画をまとめ、市民説明を開始する予定であることを示し、今年度在園児がいない衣里幼稚園(同市衣川)については年度末での廃止に向けて市議会12月定例会に廃止条例を出す準備をしていることも述べた。
同市には現在、幼稚園関係の公立施設として幼稚園7園と認定こども園3園がある。衣里を除く公立幼稚園の教育認定(1号認定)の園児数(9月1日現在)は、同市水沢の佐倉河28人(定員利用率18・7%)、羽田9人(同12%)、同市江刺の岩谷堂14人(同18・7%)、同市胆沢の小山東29人(同19・3%)、南都田29人(同19・3%)、若柳13人(同17・3%)。保護者の施設利用ニーズが保育所などの長時間預かりに変化し、教育認定利用の極端な減少などを背景に定員利用率は2割を割り込んでいる。
水沢地域では、私立施設の教育認定余裕定員数(185人)が公立幼稚園入園数を大きく上回り、江刺地域でも私立施設の教育認定余裕定員数(44人)が岩谷堂幼稚園の園児数を上回る。市健康こども部や市教委事務局によると、市子ども・子育て会議において市の適正な利用定員数を協議したところ、教育認定の定員数が適正な状況ではないとの意見を踏まえ、速やかな是正を図ることとした。
羽田、佐倉河、岩谷堂、南都田の4園では、来年度4月募集の受け入れを4歳児(4月1日時点で4歳に到達している子供)からに変更する。胆沢地域では周辺の施設状況や認定こども園の整備を検討していることを踏まえ、南都田以外の若柳、小山東の2園は引き続き教育認定の3~5歳3年保育を継続する。
全協では議員から、来年度からの実施に「性急すぎる」といった声も出たが、市健康こども部の千葉達也保育こども園課長は「各幼稚園の子供が少なくなって適正な集団の確保が難しい。先送りできない考え方を持っている」と述べた。
募集内容変更に関して市は江刺、胆沢地域で説明会を実施。20日も午後6時30分から市役所3階302会議室で説明機会を設ける。