北上・西和賀

給食できたかみ牛提供 消費回復のきっかけに コロナ対策事業

いわてきたかみ牛を使ったビーフストロガノフを味わう和賀西小の児童と生産者

 新型コロナウイルスの感染拡大で消費が落ち込んだ県産牛肉の消費回復を図ろうと、北上市内12の小中学校と幼稚園で20日、給食に「いわてきたかみ牛」のメニューが提供された。県産農林水産物を学校給食に使う国の緊急対策事業の一環。児童は肉の軟らかさに驚きながら笑顔で頬張った。

 市は、3回の給食で市内の小中学校や幼稚園の給食で県産和牛を提供する予定。同日は西部学校給食センター管内の小中学校などの2441人分の給食に計65キロのきたかみ牛が提供された。

 初回のきたかみ牛メニューは、適度にさしが入り軟らかく、煮込んだ時に素材の味が楽しめるもも肉を使用したビーフストロガノフ。同市和賀町横川目の和賀西小学校(藤野高嗣校長、児童72人)の6年生13人は、JA職員や生産者を迎えて牛肉の生産から流通までの過程や生産者の思いに理解を深めた上で給食を囲み、「軟らかくておいしい」などと味わっていた。

 北舘心君(12)は「育てている人がたくさんいることや国産の牛肉がなぜ高いかが分かった。生産している人の気持ちも知ることができ、いつも以上においしかった」と笑顔を見せた。 生産者の千葉洋子さん(68)=同市藤根=は「あの時のおいしかったが次につながり、生産者の顔を見たり話を聴いたりすることで身近に感じることができる」と語り、消費のきっかけになることを願った。

 JA全農いわてによると、新型コロナの影響で県産和牛は4月、消費が減って価格が20数%ほど下落。緊急事態宣言が解除されて以降は前年の1割減にまで戻りつつあるが、卸売り業者が在庫を抱えたりしている状況だという。

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