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いじめ認知8004件 過去最多更新 県内昨年度調査【岩手】

 文部科学省は22日、2019年度の児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果を公表した。県教委によると、県内の小中学校と高校、特別支援学校でのいじめ認知件数は8004件で、前年度から35件増加し過去最多を更新した。県教委は「重大事案への発展を危惧し、いじめの積極的認知が進んだ結果だ」と肯定的にみている。

 いじめ認知件数の内訳は、小学校6071件(前年度比16件増)、中学校1476件(同10件減)、高校381件(同19件増)、特別支援学校76件(同10件増)。中学校を除く全ての学校で増加。いじめの態様は冷やかしやからかい、たたく、蹴るなどの行為がほとんどで、これらが全体の約8割を占めた。認知件数が増加傾向にあることについて、県教委学校調整課の泉澤毅生徒指導課長は「ささいなことであっても、重大ないじめにつながる恐れがあるとして、防止に向けて積極的な認知が進んだ結果だ」と分析する。

 暴力行為の発生件数は、521件(同23件減)。類型別に見ると、生徒間暴力が416件で全体の8割を占めた。器物破損72件、対教師暴力31件、対人暴力2件と続く。暴力行為の中には、いじめと関連があるものもあったという。

 不登校は小学校319人(同35人増)、中学校958人(同21人減)、高校515人(同16人減)で、小学校で増加した。要因は複合的なため、分析が困難という。不登校の解消に向け、泉澤生徒指導課長は「学校が楽しいと思えるよう、児童生徒の居場所作りをすることが大事だ」と強調した。

 今後は新型コロナウイルスの影響により、児童生徒のストレス増大などが懸念される。県教委では暴力行為や誹謗中傷に発展しないよう、状況を注視する。

 調査は今後の生徒指導施策推進の参考とするため、文科省が毎年実施。県内の調査対象は、小学校312校、中学校162校、義務教育学校1校、高校80校、特別支援学校17校。

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