樹齢400年 神木を伐採 新堀八幡宮 倒木の危険で【花巻】
花巻市石鳥谷町の新堀八幡宮(伊藤洋一総代長)は、樹齢約400年の神木を1本伐採することに決めた。昨秋、木に雷が直撃して亀裂が入り、倒れる危険性があるため苦渋の決断。30日には業者が伐採に取り組み、関係者や地元住民らが作業を見守った。31日まで続く予定。
神木は高さ約30メートル、幹回り約6・5メートルのスギ。伊藤総代長(73)によると、樹齢350~400年ほどとみられる。近隣住民から反対する声も聞かれたものの、昨年10月中旬、落雷が発生した際に木が割れてしまい、雪が降る前に伐採することにした。
作業では、根本部分は残し、クレーンでつった木をチェーンソーで慎重に切っていった。作業を見ていた伊藤紀美子さん(62)は「生まれた時から鎮守の神としてあがめてきたので自分の腕や足が切られる思い。家からもご神木が見えていて景色が変わるのは寂しい」とつぶやいた。
伊藤総代長は「小さい頃、ご神木の周りで鬼ごっこをしたり、相撲をとったりした」と思い出を振り返り「できるなら残したいという気持ちだが、やむを得ない。子供の頃からあるご神木だからなくすのは惜しい」と大木を見詰めていた。