「銀河のしずく」消費拡大へ 西和賀で試食検討会
2020年から西和賀町内の農家で一般作付けが始まった県オリジナル水稲品種「銀河のしずく」の試食検討会が2日夕、町役場湯田庁舎で開かれた。町内の生産、小売り、外食、宿泊、行政などの関係者が他の水稲品種と食べ比べ、食味の良さを確認。自信を持って売り込めるとし、町内での利用促進、消費拡大に向けた方策を考えた。
銀河のしずくは耐冷性があり、いもち病にも強い良食味のブランド米を目指し県農業研究センターで育成された品種。16年に盛岡市から北上市までの県央部、標高240メートル以下で一般作付けが始まった。
町内では同年からの試験栽培を経て今年産から一般作付けが可能となり、生産者6戸、14・8ヘクタールでスタートした。町産米の作付品種は「あきたこまち」が7割、「いわてっこ」が3割程度。自家用米を除き町産米はほとんど町内で流通せず、業務用も町外産あきたこまちなどが利用されている。試食検討会は、銀河のしずくの栽培開始を機に町産米の地元消費・流通を具体化しようと開催された。
同日は町産の銀河のしずく、秋田県横手市産のあきたこまちなどが炊きたてと冷めた状態で用意され、参加者が地元の漬物などに合わせ銘柄を伏せて試食。見た目や香り、粘り、甘み、バランスを確かめた。
町内の旅館業「山人―Yamado―」の髙鷹政明代表取締役は「銀河のしずくは横手産あきたこまちと比べて悩むぐらい(の食味)。位置付けが変わった」と関心を寄せ、試験栽培を含め5年間生産する有馬富博さん(69)は「西和賀でも作りやすく、適期に穂が出て倒伏しない良い品種」と語り、農家の収益改善にも寄与すると期待した。
細井洋行町長は事業所を対象としたモニタリング調査や関係機関と調整して小売店での試験販売などを検討するとし「町内産米を町内で流通させる取り組みを進めたい」と話した。