【新型コロナ】一関の50代男性感染 接触130人中28人陰性
県と県医療局は3日、新たに一関市の県立磐井病院に勤務する同市の50代非常勤事務職員男性の新型コロナウイルス感染が確認されたと発表した。県内で28人目。
男性は10月25日に勤務を終えた後、発熱したため26日に仕事を休んで市内医療機関を受診。休日などを挟んで30日~11月1日まで通常勤務。2日に出勤した際、熱があったため帰宅し市内医療機関を受診。その後、咳や倦怠(けんたい)感などの症状を伴って40度近くまで熱が上がり磐井病院に救急搬送された。3日に検査を受け、ウイルス感染が確認されたため感染症指定医療機関に入院した。重症ではないという。
男性は発熱や倦怠感などを伴う持病を抱えており、発症日とみられる25日以降、発熱と解熱を繰り返しかかりつけを含む市内2カ所の医療機関を複数回受診していた。
男性は1人暮らしで県外に日帰り出張する仕事もあったといい、県は体調の回復を待ち聞き取りを行い感染源について調査する方針。
県は関連して職場の磐井病院関係42人とかかりつけの医療機関関係88人の計130人を接触者としてリストアップ。このうち3日は同病院の同僚ら28人(事務職員18人、業務委託業者10人)を検査し、いずれからもウイルスは検出されなかった。
職場で医師や看護師など医療従事者との接触はなく、勤務場所などの消毒は終えたため磐井病院は4日、入院、外来とも通常診療を行う。
一関市内で新型コロナウイルス感染者が初めて確認されたことを受け、市は3日夕、市役所で記者会見を開き、市民に改めて感染予防の徹底を呼び掛けた。4日以降、庁舎や公共施設は通常通り開庁・開館し、保育施設・幼稚園、小中学校も保育、授業を行う。市は「感染者情報は県に迅速、正確な情報提供を求め、可能な限り提供に努めていく」としている。
市によると、市内初の感染者情報は3日午前8時30分ごろ、県からの連絡で把握。正午すぎから市新型コロナ感染症対策本部会議を開き、情報共有と今後の対応を確認した。
市民に対しては、3密(密閉、密集、密接)の回避と適切な換気、身体的距離の確保(ソーシャルディスタンス)、マスク着用、手洗い・手指消毒の励行を呼び掛ける。3密が回避できず、多数が集まるイベントについては中止・延期などの対応を求める。
県の発表を受けて会見した市の佐藤鉄也保健福祉部長は「県が感染者の詳しい行動歴や濃厚接触者の有無を調査している。市では最大限の感染拡大防止を講じるので、市民にも冷静な対応を取っていただき、感染防止の取り組みを徹底していただくことをお願いする」と語った。