【新型コロナ】医師ら6人感染 盛岡飲食店でクラスター 県内57人
盛岡市と県は13日、新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)が同市大通の飲食店「ヌッフ・デュ・パプ」で発生し、新たに岩手医科大附属(矢巾町)、盛岡赤十字(盛岡市)、県立宮古(宮古市)各病院の医師5人を含む6人の感染が確認されたと発表した。現時点で院内感染は発生していないという。県内の感染は、12日夜発表の9人を含め計57人となり、相次ぐクラスターの発生により感染が拡大している。【3面に関連】
市などによると、感染が確認されたのは、岩手医大のいずれも医師の50代男性、20代女性(以上盛岡市)、20代男性(矢巾町)と事務職員の30代女性(盛岡市)、盛岡赤十字病院の40代医師男性(盛岡市)、宮古病院の20代医師男性(宮古市)。発熱や倦怠(けんたい)感などの症状があり、いずれも感染症指定医療機関に入院している。
県内外の医師を含む医療関係者約20人が7日、同店でプライベートの会食をし、県外の医師1人を含む7人の感染が確認された。
岩手医大では、関連する職員111人を検査し、不検出だったことから今後は通常通りの診療を行う。盛岡赤十字は、114人を検査し現時点で74人が不検出。今後患者38人の検査を予定している。感染した医師が担当していた血液内科外来は、当面休診とする。宮古は、感染した医師が派遣先の医療機関に勤務し、7日以降勤務実績がないことから、院内での濃厚接触者はおらず休診はしない。
4件目のクラスター発生を受け県は、医療体制について、現在のフェーズ1(発生初期)から、フェーズ2(発生拡大期)の引き上げを検討していることも明らかにした。
医師少数の本県で、複数の医師が感染したことによる地域医療への影響について、野原勝県保健福祉部長は「さらに感染が増えれば医療体制が逼迫(ひっぱく)する可能性はあるが、現時点では重大な影響を及ぼすものではないと考えている」との認識を示した。
市では感染の可能性がある飲食店利用者の特定が難しいとして店名を公表した。従業員2人も感染が確認されているとし、今後詳細を発表する予定。10月24日~11月11日の利用者を最大で1日100人程度の約2000人と想定しており、市保健所や管轄の保健所へ相談するよう呼び掛けている。
12日夜には10歳未満~50代の計9人の感染が確認された。
盛岡市などによると、感染が確認されたのはクラスター(感染者集団)関連で、同市菜園の飲食店「海鮮季節料理おおいし」で感染した経営者の家族で60代看護師女性のほか、店舗を利用したいずれも滝沢市の50代自営業男性と40代無職女性、10歳未満女児の家族の計3人。
盛岡中央消防署葛巻分署関連では、職員の家族でいずれも滝沢市の50代会社員男性、50代教職員女性の計2人。
10日に感染が確認された久慈市の県北広域振興局の職員関連では、県庁に勤務する県農林水産部の20代女性、同局農政部の20代女性と20代男性の計3人。県職員の4人はクラスターが発生した盛岡市大通の飲食店「ヌッフ・デュ・パプ」で7日に会食し、感染したとみられる。
滝沢市では、教職員と女児の感染確認を受け、市内の小学校2校について、15日まで休校の措置を取った。対象は1500人程度で、今後濃厚接触者の状況などを踏まえ対応する。
momottoメモ
【続報】盛岡市などは13日夜、新たに7人の新型コロナウイルス感染を確認したと発表した。同日の感染確認は13人で、県内での感染確認は計64人となった。(14日午前9時30分)