北上・西和賀

湯田マタギ 克明に 黒田さん(東京在住)写真展 まちなか交流館【西和賀】

14日から展示される黒田さんの写真の一部と加藤さん
▲黒田勝雄さん

 西和賀町湯本の町まちなか交流館で、14日から東京都在住の写真家黒田勝雄さん(82)の写真展「最後の湯田マタギ」(やまびこピーアール主催、町、町教委後援)が開かれる。1979~97年に撮影されたマタギの生活文化や狩猟現場をありのままに描写した33点が展示される。23日まで。

 今年5月に同名の写真集を出版した黒田さん。1970年代から20年以上にわたり湯田町(現西和賀町)に通い、湯之沢地区に滞在しながら、当時の風景や人々、マタギの里の暮らしや民俗を記録した。

 黒田さんによると、マタギの頭領に頼み込んで狩猟に同行したのは4回で、狩猟現場に立ち会うことができたのは一度だけ。写真では出発前に気合を入れたり、沢沿いで猟場を相談したり、残雪の中を分け入っていくマタギたちをはじめ、捕獲したクマを集落に持ち帰り解体する様子などもありのままに写されている。

 撮影した写真は21年間でモノクロフィルム600本、2万カットに及び、展示する写真の中にはマタギが信仰していた山の神の祭りで水垢離(ごり)を行う男たちや、祭り翌日に行われた女性たちだけの宴会「毘沙門さまの日」で楽しげに踊る姿なども盛り込まれている。

 写真展はやまびこピーアールを主宰する同町在住の加藤紗栄さん(43)の父が、黒田さんの個展を都内で開いたのが縁で実現した。黒田さんは「時代と共に変わり続ける暮らし。一定の時代の日本人の一つの姿として見てもらい、感想を聞かせてほしい」と話す。

 開催時間は午前10時~午後5時。16日は休館日。入場無料。会期中の土日・祝日はカフェを併設しコーヒーを飲みながら鑑賞することもできる。

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