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伝統建築修復 工匠の技 無形遺産に ユネスコが登録勧告 二戸のうるし掻き含む 

ユネスコ無形文化遺産への登録が勧告された伝統技術のかやぶき(文化庁提供)

 世界最古の法隆寺に代表される日本の伝統的な木造建築を修復する職人の技術をまとめた「伝統建築工匠の技」について、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の評価機関は、無形文化遺産に登録するよう勧告した。この中には本県の日本うるし掻き技術保存会(二戸市)の漆生産・精製技術が含まれている。文化庁が17日、明らかにした。12月14日からパリで開かれる政府間委員会で正式決定される見通し。

 登録されれば2018年の「来訪神 仮面・仮装の神々」以来で、国内の無形文化遺産は22件となる。

 登録が勧告されたのは、国が文化財保存に不可欠な「選定保存技術」に認定している古式の木工技術、かやぶき、装飾などの伝統技術17件(14団体)。政府が18年、ユネスコに提案したが、審査が先送りとなり、件数を増やして19年に再提案していた。提案書では「建築当初の部材と、取り換える部材との調和や一体化を実現する高度な技術だ」などと訴えていた。

 文化庁によると、勧告は「無形文化遺産全般の重要性の認知向上に貢献できる好例。有形文化遺産である建造物との本質的な関係に光を当てた」などと評価した。

 17件は次の通り(かっこ内は保存団体)。

 建造物修理(文化財建造物保存技術協会)▽建造物木工(同、日本伝統建築技術保存会)▽檜皮葺・柿葺(全国社寺等屋根工事技術保存会)▽茅葺(同)▽檜皮採取(同)▽屋根板製作(同)▽茅採取(日本茅葺き文化協会)▽建造物装飾(社寺建造物美術保存技術協会)▽建造物彩色(日光社寺文化財保存会)▽建造物漆塗(同)▽屋根瓦葺・本瓦葺(日本伝統瓦技術保存会)▽左官・日本壁(全国文化財壁技術保存会)▽建具製作(全国伝統建具技術保存会)▽畳製作(文化財畳保存会)▽装潢修理技術(国宝修理装潢師連盟)▽日本産漆生産・精製(日本文化財漆協会、日本うるし掻き技術保存会=二戸市=)▽縁付金箔製造(金沢金箔伝統技術保存会)【時事】

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