鬼剣舞 VRでリアルに 会鬼祭開催へ 商議所青年部22日から 10団体公演【北上】
北上市の北上商工会議所青年部(渡邊和真会長)は、22日から仮想現実(VR)を活用した「北上会鬼祭(あきまつり)」を開く。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で不特定多数が集まる従来通りの開催が難しいことから初の試み。その場で鬼剣舞を見ているようなリアルな祭りを体感できる仕掛けが隠れている。
同祭は同青年部が2018年度から始めた地域振興事業。子供たちを中心により多くの市民が「鬼」の文化に触れる中で地元に関心や愛着を持ってもらおうと、芸能公演、飲食や特産品の販売などを行ってきた。
今年は感染防止のため全国的に多くのイベントが中止や延期、オンラインでの動画配信となる中、ぎりぎりまで開催方法を模索。コロナ禍でも「開催してほしい」「鬼剣舞を披露する場所がほしい」といった声を受けて、動画配信から一歩進めたバーチャルイベントを企画した。
リアルイベントはなく、完全にオンラインのみ。ウェブ上に仮想「鬼の館」を構築し、仮想ステージでの鬼剣舞の公演、市立鬼の館の紹介、地域の特産品や食を楽しめる情報などで構成する予定。
仮想ステージでの鬼剣舞公演動画を作成するため、10月4日から11月1日まで毎週日曜日、市立鬼の館屋外ステージなどで10団体の公演を収録。7台のカメラを駆使して撮影し、1団体につき「スペシャル動画」と「360度VR動画」の2種類の映像を用意する。
スペシャル動画では通常の映像に加え、ドローン(小型無人飛行機)で撮影した映像も含まれ普段とは異なったアングルから鬼剣舞を楽しめる。360度動画ではスマートフォンやタブレットなどデバイスの角度を自由に動かして全方位を見渡すことができ、視聴者がその場にいるような臨場感を味わえる。
同青年部は、オンライン開催だと時間や場所に制約がなく、いつどこからでも参加できるなどいったメリットもあることから、将来的にリアル開催との両立も探る。渡邊会長は「ウィズコロナで何ができるか、何をやれるのかということを考えて今の時代に合ったものを模索した。多くの人に見てもらい、地域が元気になってほしい」と話す。
同祭のウェブサイト開設期間は22日~12月6日。アドレスは https://www.akimaturi.site/