奥州・金ケ崎

賢治とエミリィ つながり知って 町立図書館【金ケ崎】

賢治とエミリィの意外なつながりを相関図などで紹介している企画展

 金ケ崎町立図書館の企画展「つながり 相似する エミリィと賢治の世界」は、同町西根西地蔵野の同館で開かれている。同町の姉妹都市となっている米国アマースト町の詩人エミリィ・ディキンスン(1830~86年)と、花巻市の詩人・童話作家宮沢賢治(96~1933年)について、共通した近しい人物や似通った境遇などをパネルと蔵書で徹底紹介。2人を見る新たな視点を提供している。12月27日まで。

 同図書館には姉妹都市の縁でエミリィ・ディキンスン資料センターが開設されている。同館は19世紀の米国随一の詩人エミリィの魅力を広めようと、本県ならではの研究として「賢治とエミリィ」を推進。昨年度も企画展「賢治とエミリィの馬」を開いた。

 今回の企画展では研究者・機関の協力も受け、作品以外の共通点を掘り下げた。農業指導やキリスト教、関係者が集中する北海道などを通した人物のつながりは相関図にまとめた。家庭や教育、宗教など要素別の共通点もパネルで解説。各キーパーソンと2人の関係は、51冊の関連蔵書(禁帯出含む)で詳しく知ることができる。

 展示では、生きた時代も国も違う両者を複数の人物が結び付けているのが分かる。このうちキリスト教思想家内村鑑三は、エミリィの祖父が創始者の一人だったアマースト大に留学。宮沢家に近しく、賢治にも大きな影響を与えた斎藤宗次郎を弟子に持つ。

 また花巻農学校の修学旅行を引率して北海道を訪れた賢治を歓迎したのは、北海道大初代総長の佐藤昌介。佐藤を指導した札幌農学校教頭のクラーク博士もアマースト大卒で、日本から持ち帰った桜をエミリィ宅に植えるなど、ディキンスン家ともつながりが深い。

 このほか創作に打ち込める家庭環境や、アマースト大で推進されていたリベラルアーツの薫陶を受けた人物から影響を受けるなど、なおも共通点は多い。作品論以外で2人を比較した研究の例はないといい、同センター研究員の阿部由香さんは「2人に直接のつながりはないが、キーパーソンを通してつながりが見えてくるのが面白いところ」と来場を勧めている。

 開館時間は午前10時~午後6時。原則として月曜と祝日、月末が休館。

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