花巻

賢治作品の逸話披露 宮澤さんが講演 四恩会【花巻】

宮澤和樹さん(左)の講演の合間に賢治のバイオリンを演奏する香帆さん

 花巻四恩会主催の講演会は20日、花巻市のホテルグランシェール花巻で開かれ、宮沢賢治の弟清六の孫で林風舎代表取締役の宮澤和樹さん(56)が賢治とその作品にまつわる逸話の数々を披露した。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で賢治に関わるイベントも中止が相次いだ中、2019年の同会講演会の続編として企画。「続 祖父宮澤清六から聞いた宮澤賢治」の演題で、会員ら約40人が聴講した。

 和樹さんは、賢治と野村胡堂、高村光太郎・智恵子などを挙げて「全然関係ないと思っていた人たちが後でつながる不思議」に触れつつ「いろんな方面に興味を持ち、アンテナを張っていたからこそ深い知識を得ることができた」と解説。

 「童話作家、詩人」の肩書には「本人は地質学、鉱物が専門です、と答えたはず。文系ではなく完全に理系」と指摘した。

 また来日して相対性理論を講義したアインシュタインにも大きな影響を受けたとし、熱心な仏教徒だった賢治が「宇宙や4次元など言葉は違っても仏典に同じことが書いてある」と解釈したことを紹介。「仏教(宗教)と科学はいつか互いに証明し合えるのでは」と考え、童話「銀河鉄道の夜」で宇宙空間を走る列車の両輪に見立てる発想が生まれたと説いた。

 講演の合間には、賢治が購入したバイオリンの一つを用いて和樹さんの長女香帆さん(26)が、賢治が「種山ケ原」の詩を付けたドボルザークの「新世界より」や好きだった賛美歌、賢治作詞の「精神歌」などを豊かな音色で奏でた。

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