北上・西和賀

キオクシア 2棟目用地取得へ 北上工業団地 隣接地来春から造成

 半導体大手キオクシア(本社東京都港区、早坂伸夫社長)は9日、北上市の北上工業団地内に立地するキオクシア岩手の2棟目以降の製造棟建設に備え、同社の隣接地13・6ヘクタールを市などから取得する方針を発表した。2021年春から土地の造成工事に着手し、22年春ごろに完了を予定。同社は2棟目の具体的な建設時期や規模について明らかにしていないが、整備に向けた動きが具体化し市内、県内経済にも好影響を与えそうだ。【2面に関連】

 米中貿易摩擦の影響でキオクシアホールディングス(HD)は東証への株式上場を延期し、新型コロナウイルス感染拡大で国内市場も打撃を受けているが、一方で膨大なデジタルデータの活用が加速化。5Gのサービス、人工知能(AI)、自動運転などの普及で今後もキオクシアが製造する最先端の3次元フラッシュメモリ市場の中長期的拡大が見込まれることから、キオクシア岩手の敷地を拡張し増設に備える。

 キオクシアが取得するのは、市が整備している北上工業団地拡張エリアを中心とした現工場東側、北側の区域と隣接する市道、県道。今後、土地取得に必要な申請手続きを行う。

 19年秋に完成した1棟目の製造棟では今年に入り3次元フラッシュメモリの生産を開始し、現在は従業員約1050人態勢で稼働。工場内で装置未搬入のエリアもあり、今後も生産拡大が見込まれる。

 キオクシア岩手1棟目は敷地面積約15ヘクタールで、うち建物は約4ヘクタール。仮に2棟目が1棟目と同規模となれば1000人規模の雇用が見込まれ、市内や県内経済にもさらに大きな波及効果をもたらしそうだ。

 キオクシアは21年春から、三重県の四日市工場の第7製造棟の建設に着手する計画。岩手と合わせ、継続的に最先端のフラッシュメモリ製品の生産スペースを確保していく方針。

 キオクシアHD広報部は「敷地を確保することで北上工場2番目となる製造棟の建設に備える。建設時期、生産能力など具体的な計画については、市場動向を見極めながら検討していく」としている。

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