新型コロナ/国に対策班派遣要請 雫石の病院クラスター拡大 新規43人過去最多【岩手】
県と盛岡市は12日、新たに10歳未満~90代の男女計43人の新型コロナウイルス感染が確認されたと発表した。重症者はいない。このうち、クラスター(感染者集団)が発生した雫石町の病院関係では、入院患者や職員の家族ら計41人。これまでに感染した職員22人を含め計63人に拡大した。院内感染による大規模クラスターの発生を受け県は同日、国にクラスター対策班の派遣を要請した。【3面に関連】
1日当たりの新規感染者数は過去最多を更新し、県内の感染は計295人となった。
県などによると、病院関係は、入院患者50~90代の男女38人のほか、職員の家族で盛岡市の20代保育士女性、滝沢市の10歳未満男児、委託業者で雫石町の60代会社員女性の3人の感染が判明した。
これまでに職員150人、患者や高齢者施設の入所者130人、職員の家族ら50人の計330人程度の検査を実施。今後は、職員の家族25人と外来患者40人の計65人の検査を行う予定。
厚生労働省のクラスター対策班の派遣を要請した県は、具体的な日程などについて調整している。いわて感染制御支援チーム(ICAT)や医療搬送班で構成する「クラスター制御タスクフォース」を継続して派遣。さらに、看護師などの職員も感染していることから、系列病院からの職員派遣のほか、県としても医師など医療従事者の派遣を検討しているという。
クラスターの拡大について、野原勝県保健福祉部長は「病院クラスターの場合は、感染者数としては多く確認されるが、飲食店と違って追跡可能なので、地域への広がりを防ぎ封じ込めを図ることができる」との認識を示した。
このほか、感染した患者と隣の病室だった県立中央病院に入院する県内の40代女性、同病院の20代看護師女性の感染も判明した。
雫石町の鶯宿温泉病院は12日、ホームページで入院患者38人、従業員1人の感染が確認されたと発表した。