花巻

ソーセージ開発 試行錯誤 ヒツジ肉に二子さといも 商品化へ試食会 花巻農高食農科学科

ヒツジ肉や二子さといもなどを使った3種類のソーセージを食べ比べる参加者

 ヒツジ肉のソーセージ開発に取り組む県立花巻農業高校食農科学科は25日、北上市の二子さといもを使った試作品の試食会を同市二子町の川端公民館で開いた。地元生産者や関係団体の代表から食感や風味などの感想を聞き、地元農産物を使った地域振興や商品化に向けてヒントをつかんだ。

 同科2年生ソーセージ研究班は、県内の耕作放棄地対策で広がっているヒツジの放牧に着目し、県産ヒツジ肉のソーセージ作りを実習。肉の臭みを消してうまみを引き出すため、同校で栽培した宮沢賢治ゆかりの水稲品種「陸羽132号」の米こうじを加えるなど試行錯誤を重ねてきた。

 研究を進める中で、捨てられている二子さといもの頭芋部分をソーセージに混ぜ込むアイデアが生まれ、11月には生産する高橋豊さん(64)=同市二子町=の圃場(ほじょう)での収穫体験や選果場見学などに取り組んだ。

 試食会には高橋さんのほか、同市農林部、JAいわて花巻営農部の職員らが参加。生徒7人がヒツジ肉を使ったソーセージ、米こうじを加えたソーセージ、米こうじと生の二子さといもを練り込んだソーセージの3種類を用意し、食感や食味、香り、完成度などの評価を受けた。

 参加者によって好みが分かれ、「ヒツジ肉だけのものが弾力がある」「二子さといもを入れると食感がふわふわになる」など感想もさまざま。高橋さんは「サトイモを入れたソーセージはヒツジの臭みが抑えられていて食べやすかった。二子の里・いものこまつりに出してもらいたい」と生徒の研究成果をたたえた。

 生徒は試食会の意見を参考にして二子さといもを加える配合を調整したり、ヒツジ肉と豚肉を混ぜて作ったりとさらに改良を進める考えで、加工品による地域活性化を目指している。

 ともに二子町在住の菅原小聖さんと後藤遥奈さんは「サトイモを加えたものも良い商品になるのではないかと感じたし、改善すべき点も見つかった。お年寄り、若者など年代によっても好みは異なる。試食会の感想を生かして商品開発を頑張っていきたい」と意欲を新たにしていた。

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